f-Bizモデル導入には幾つかの壁があることを理解した。
先日、市の担当部署、そして商工会とf-Bizモデル導入について意見交換を行ったところ、幾つかの壁を乗り越えなければならないことが明らかになった。
市については、大きくは予算と制度設計の二つである。予算については最低1200万円以上という額は大きいものであり、市長、財政部署そして議会の合意形成が必要であり、中小企業のニーズとf-Bizモデルの理解を得なければならない。それは短期間で得ることが難しい。
また制度設計については、f-Bizモデルは単年度ではなく、永続的に実施することが適切であるために、少なくとも3年間は継続することを考慮しなければならない。そのための予算の枠組み、受入れ体制、市とf-Bizのつながり(委託関係)、導入効果の検証など、検討すべきことが盛り沢山である。
そして商工会については、自分たちが実施している経営コンサル相談(年間300~500件)とf-Bizとの住み分け、差異化の観点で、f-Biz設置の必要性があるのかと問われ、また設置するにしても商工会のニーズ、中小企業のニーズのそれぞれに応え、相乗効果を期待できるf-Bizを超えた摂津市特注のSettsu-Bizが必要であるとのことであった。
これに関しては、市内の民営事業所が4,094(H28年6月1日現在)もあり、課題が無い事業所が無い中、また相談ができずくすぶっている中小企業が散見される現状を鑑みれば、経営コンサルのニーズはまだまだ有り、さらには中小企業活性化のために掘り起こす必要がある。例えば、同じ大阪府内の大東市のD-Bizでは年間相談件数は846件、相談事業者173者(H29度実績、https://daito-biz.jp/)である。当然、大東市の商工会議所への経営コンサルへの相談数も考慮すれば、大東市の全体の相談件数は少なくても1,000件以上と推測される。
よって極端な話、本市でも商工会とSettsu-Bizと連携し相談件数1,000以上を目指せば良いのである。住み分けは十分に可能である。ただし、制度開始前に利用への十分な周知が求められる。
また、商工会が決して得意ではないマーケティング分野(多くの市内中小企業がこれに苦戦している。)を提供できる制度となれば、両者の長所を活かせることとなる。
これらについては市と商工会等としっかり話し合っていかなければならない。
と、いうところで、Settsu-Biz導入に向けた課題がある程度見えてきたので、一つ一つそれを解消して実現へと進めていこうと考える。
繰り返しではあるが、攻めの経営支援コンサルは時代ニーズであり、中小企業を活性化させ、結果として雇用と納税を増やし、市民サービス向上のためにも良い施策として具体化していくものである。
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