鳥飼地域の安全・安心のまちづくりに大きな寄与する河川防災ステーションの現状について、議会での議論も踏まえて紹介します。
そもそも河川防災ステーションは安威川と淀川に挟まれ河川氾濫による浸水想定の大きな鳥飼地域での被害軽減のために、市が国にステーションを誘致しました。
具体的には、2020年9月1日、とかしきなおみ衆議院議員の同伴のもと市長は、国交省副大臣等のもとへ「鳥飼地域の国土強靭化に向け、安威川ダム建設事業の推進や本市の水害に強いまちづくりの推進」の要望を、そして同年9月25日には、淀川右岸沿川市で構成される淀川右岸期成同盟(会長:高槻市長、副会長:摂津市長)より国土交通省近畿地方整備局長へ「淀川水系の治水事業促進について」要望を行っています。
それらを踏まえて、国は淀川氾濫対応のための流域治水を行う河川防災ステーションの摂津市での建設に向けて、市と協議を行っています。我々、自民党・市民の会はこの河川防災ステーションの実現に向けて国と連携し、しっかりと取り組んでいます。
さて、2021年1回定例議会において様々な議論が交わされました。3月9日には代表質問にて取り上げ、また3月17日の議会・総務建設委員会の協議会では、建設予定地やスケジュールなどについて案が説明されました。
建設予定地は㈱山星屋鳥飼物流センター(鳥飼西1)を中心とするところ(地図参照)です。また民家等も一部ですが建設範囲に入ります。これから交渉等が行われる予定です。
スケジュールにおいては、令和3年・2021年に国は整備計画認可を取り、2022年に測量や地質調査、詳細設計が行われます。その後に用地買収や盛り土、上面整備、上部施設の建築などで、おおよそ令和11年・2029年の完成予定です。ただしあくまでも現時点での想定であり、ずれることも見込む必要があるとのことです。
上部施設においては市が設置するものであり、市としては「地域共生型防災拠点(案)」を作成しています。(図参照)
これが有事においては避難所となり、また水防拠点となり、そして救助活動の拠点となります。平時においては地域コミュニティの場などが検討されています。より良い活用方法に向けて、さらなる議論が行われます。
我々、自民党・市民の会はこの上部施設においては、消防救急拠点も併設するよう要望しています。ただ、河川防災ステーションの面積により上部施設の大きさも影響を受けるため、計画の進展に注視していく必要があります。
(他の資料もありますが、今後の進捗で変更する可能性が高く、掲載は控えました。)
自民党・市民の会はこの河川防災ステーションが、市民にとって命を守る拠点となり、また地域コミュニティの核となる拠点となり、少しでも有益なプロジェクトになるよう全力でその実現に取り組んで参ります。
2021年第1回定例会での代表質問において、自民党・市民の会(嶋野・松本・光好議員)を代表して光好議員が「河川防災ステーション」について質疑を行っています。その議事録を紹介させていただきます。なお光好議員は鳥飼在住であり、この「河川防災ステーション」の実現に向けて、議会で誰よりも熱心に取り組んでいます。
令和3年第1回定例会代表質問 ~本会議3日目 2021年3月9日~
「2-5 河川防災ステーションの取り組みについて」議事録(抜粋)
○光好議員
2-5河川防災ステーションの取り組みについて、本市は、淀川氾濫による水害リスクが高く、河川防災ステーションの整備が検討されていますが、改めて、市長の想いをお聞かせ下さい。
(略※)
○森山一正市長
河川防災ステーションについてのご質問にお答えいたします。
ご案内の通り、河川防災ステーションは国の直轄事業でございます。当初、河川事務所のサービスステーションがあり、避難経路に直結する仁和寺大橋付近といいますか、鳥飼下の五久付近が候補地の一つに上がっておりました。ただ、先日来、色々とお話ありましたが、あの鳥飼小学校付近を計画地域に入れるとするならば、整備計画が出来たといたしましても、その実施との時間的なギャップは否めません。到底間に合わないといいますか、ギャップは否めないわけであります。
以前にもご指摘ありましたが、分散ステーションも協議的には視野に入れながら、淀川に面した鳥飼地区で新たに相応しい場所を模索・検討しているところでございます。場所等々につきましては相手さんもあり、ここでは公表できません※が、報告できる段階になり次第、議会の皆さんはじめ、地元の皆々さまにも、またグランドデザイン懇談会においてもお知らせをさせて頂きたいと思っております。(※代表質問後に総務建設協議会にて場所を開示)
毎年、日本各地で発生している集中豪雨により河川の氾濫が甚大な被害をもたらしており、決して他人事ではありません。特に淀川や安威川に囲まれた鳥飼地域におきましては、淀川氾濫による浸水想定は、非常にリスクが高く、浸水対策が喫緊の課題でございます。折しも、さきほどいいましたように国による淀川流域で河川防災ステーションの検討が進められております。鳥飼地域で整備が可能とすれば、地域の安全性に資するものと非常に期待を致しております。
今後は国としっかり連携し、河川防災ステーション建設の実現に取り組んで参りたいと思います。
(略※)
○光好議員
河川防災ステーションの取り組みについてですが、整備に対する市長の想いを理解しました。
河川防災ステーション事業は、国の直轄事業であることから、令和3年度の整備計画承認を確実なものにする必要がありますが、今後の国との連携と進め方について、お聞かせ下さい。
(略※)
○高尾建設部長
河川防災ステーションの今後の国との連携と進め方についてのご質問にお答えいたします。
国においては、現在、本事業を鳥飼地域の「流域治水プロジェクト」として位置づけ、「水災害リスクを踏まえた防災まちづくり」の「水まちモデル都市」に本市を選定され、令和2年度内の取りまとめに向けて取り組まれております。
鳥飼地域においては、氾濫による浸水リスクが高く、物流・人流の要所にもあたることから、浸水被害を少しでも減少させるための対策を1日も早く講じる必要があるということが、国と市との共通認識であり、国と覚書を締結して、災害に強いまちづくりの検討を共同で進めているところでございます。
現在、国においては、淀川流域全体の防災拠点として、同ステーションが最大限機能を発揮できる整備内容を検討しており、合わせて、本市は、地域のコミュニティや賑わいに資する必要な機能について検討深めるとともに、災害時の避難場所として適切な規模等を検討しているところです。
今後、淀川水系の防災拠点として、同ステーションを整備すべき箇所を早急に特定いたしますとともに、上部利用施設も含めた基本計画を取りまとめて参ります。
令和3年度の早い段階には、同ステーションの整備計画の策定に向けた国との協議調整を進め、着工後の確実な予算獲得がなされるよう、国へ働きかけますとともに、令和3年度の整備計画承認を目指し、国とともに推進して参ります。
(略※)
○光好議員
河川防災ステーションの取り組みについてですが、国との連携と進め方について、理解しました。しっかりと取り組むよう、要望致します。
ご認識通り、河川防災ステーションは、災害に強いまちづくりを推進し、淀川流域の防災拠点となる一方で、市民が集う憩いの場となり、賑わいづくりや魅力ある鳥飼まちづくりの核になるものです。平時は地域住民のレクリエーションの場、河川を中心とした文化活動の場、水防活動の訓練の場として利用されるべきと考えますが、最後に、上部利用の構想についてお聞かせ下さい。
(略※)
○大橋市長公室長
河川防災ステーションの上部施設についてのご質問にお答えいたします。
市としての河川防災ステーションの上部施設の考え方につきましては、災害時には、防災対策の観点から地域に不足する避難場所として、特に分散避難も困難となるような高齢者や障がい者といった、災害時要援護者と呼ばれる方々を中心とした避難施設を想定しており、また平常時ですが、こちらが施設としての利用の大半を占めることになりますので、鳥飼地区におけるコミュニティや賑わいといった地域課題、また、老朽化する公共施設の再配置の観点も踏まえ、地域の皆さんにとって有益な施設となるよう検討を進めているところでございます。
今後、国とも協議・調整の上、案がまとまった段階で、議会議員の皆様へも説明を行って参りたいと考えております。
(完)
(音声データ等より作成)
※当該質問に関係のない他の質問項目の部分は省略しています。
関連リンク
〇国土交通省「河川防災ステーション活用事例集」
(追記 2022年5月2日)