Ⅰ 概 要
地場産業育成のツールとして、シティプロモーションとしてふるさと納税を活用すべき!!
この事を2017年当選以来、ずっと行政に対して提言してきました。
本市でのふるさと納税制度について2017年当時、返礼品もなく、用途決めるものでもなく、ほぼ無策であり市税が出ていく一方でした。
その為、議会で幾度も是正を求め、2020年1月にようやく行政は、使途選択制のふるさと納税制度を導入しました。ただ返礼品はありません。
やはり、それだけでは不十分であり、総務省のふるさと納税制度に係わる政策転換も踏まえ、2021年6月議会にて、本市のふるさと納税制度のさらなる改革を提言し、「せっつすぐれもの」を返礼品にして、地場産業育成につなげるよう求めています。
Ⅱ これまでの経緯
2017年9月での当選後、本市のふるさと納税の課題について気付きました。そのきっかけが2017年12月議会での一般質問「摂津優品(せっつすぐれもん)とふるさと納税との連携について」を行ったことです。
この質問において、せっつすぐれもんをふるさと納税の返礼品にすべきではないかという私の提案に対して、行政はふるさと納税は、本市を応援したいという善意での納付に期待しており、返礼品については設けることは考えていないという趣旨の答弁でした。(返礼品の過当競争はふるさと納税制度の趣旨に合わないという事です。)
この答弁で、本当にそれが行政の姿勢として適切なのか、大いに疑問が湧きました。そこでさらに現状を調べ、委員会で取り上げました。
2018年10月の決算での総務建設常任委員会です。その「議事録」の一部(抜粋)が以下の通りです。
〇松本議員
「ふるさと納税の現況について、私は憂慮すべきものと考えております。特に金額はさることながら、ふるさと納税の件数自体が平成27年度は17件、平成28年度は12件、平成29年度は17件と、総務省資料によりますと平成28年度と平成29年度において、大阪府43市町村中43位と最低件数であります。金額を別にしても、余りにも件数そのものが少ないと思います。(右表)
本市には多くの魅力があることを鑑みれば、現状のふるさと納税がその魅力とつながっていないと考えられます。(略)
やはり、これについては対策を講じなければなりません。しっかりと本市の魅力をふるさと納税につなげ、より多くの善意を受け取る対象となり、またその寄附で市民サービスが向上することが求められます。
私は、何も返礼品にこだわる必要はないと思います。例えば子育て支援に活用するなど、そういったところで善意を受け取るという対策がよいのかと考えております。これにつきまして、住民の福祉の増進を踏まえて副市長に改めてどのようにお考えかお聞かせください。」
〇副市長答弁
「それでは、ふるさと納税について再度ご答弁申し上げたいと思います。
返礼品にかかわらず、多くの人に摂津市を応援してやろうと、こういうことが理想であろうと思っております。そのためには、摂津市の施策に対する共鳴をいかにして得るか、それから摂津市の魅力をいかにして発信するか、これが重要であろうと思っております。(略)
あとはふるさと納税をいただいたときにどういう使い方をするのか、これのやはり明確化が必要ではないのかなと思っております。(略)
これは庁内的にやはり検討していかなければならないと考えております。」
〇松本議員
「副市長の答弁をいただきまして、何かしらしっかりと対策をとられるということを理解いたしました。これについては、やはり先ほどの市税の関係で、約8,000万円という市税があれば何ができるだろうかと。やはりそういったところを考えたときに、この約8,000万円の重さというのもやっぱり考えていただきたいと。(他市へのふるさと納税により約8,000万円の税収が下がっている。)(略)
やはりこれは、市民に対する市の姿勢が問われるものかと考えております。金額が増加するにつれてやはり政策転換というものが必要になっていると考えます。ぜひ、与えられた条件において最善を尽くすということが皆様の腕の見せどころではないでしょうか。しっかりとやっていただくことを要望いたします。」
これは、2018年当時、ふるさと納税に対して行政が無策であり、大阪府下43市町村中、最低という状況を強く問題視し、それを指摘した内容となります。
Ⅲ 2019年の改革
ふるさと納税については、度々議会で取り上げたことによって、行政も制度改革に向け、ようやく動き始めました。それが見えてきたのが2019年の12月議会です。
「共感を得るふるさと納税の検討状況について」という私の一般質問において、行政は「使途選択制のふるさと納税」につきまして全庁的に議論を進めていると答弁を行いました。
そして2020年1月より使途選択制のふるさと納税制度が始まりました。それが左写真になります。寄附金の使い道は「安全・安心」「産業振興」「環境・衛生」「健康・医療・福祉」「まちづくり・市民活動」「教育・人づくり」「子ども・子育て」「スポーツ・文化振興」「市長におまかせ」の9つの中から選ぶことができるようになりました。(左写真参照)
これは、「ふるさとへの貢献」を寄付者が実感でき、本市の取り組みに共感を持つことへと繋げていくことを意図しています。また、寄付の使い道については、HPでUPする予定で、より共感を持って頂ける工夫を計画しています。
Ⅳ 新型コロナウイルス感染症対策への活用
2020年3月からの新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言を踏まえ、様々な業種で大きな経済的打撃を受ける中で、あるいは学校休業の中で、コロナで困っている地域や市民の方等の為に、寄付をしたいという方への受け皿となるよう、ふるさと納税を活用すべきと考えました。
そして2020年4月22日に、自民党・市民の会で市長に「新型コロナウイルス支援におけるふるさと納税制度活用の提案」の要望しました。
その結果、2020年5月下旬に実現しました。「市長におまかせ」を選択していただいた寄附金は、新型コロナウイルス感染症対策として実施する取組に、優先的に活用することとなったのです。(上記写真参照)
Ⅴ 今後、地場産業育成での活用へ
しかし時代は変化し、さらなるふるさと納税制度の改革が本市には必要でした。
2019年4月1日に、総務省はふるさと納税制度の改革を実施しており、いわゆる返礼品の過当競争が解消され、地場産品のみが返礼品となったのです。(右写真参照)
本市のふるさと納税制度の改革は、2年以上遅れているのが現状です。少しでも早く改革を進めなければなりません。そこで2021年6月議会で、「ふるさと納税制度の改革について」という一般質問を行いました。
その内容が以下となります。
令和3年第2回定例会一般質問 ~本会議2日目 令和3年6月24日~
議事録(抜粋)
3 ふるさと納税制度の改革について
○松本議員
3 ふるさと納税の改革についてですが、これまでふるさと納税についてはたびたび質問して参りました。
現在、総務省の政策転換により、ふるさと納税に係わる返礼品の過当競争が是正され、地場産業の育成が重視されることとなりました。この事について、どうお考えかお聞かせ下さい。
(略※)
○森西議長
市長公室長
○大橋市長公室長
ふるさと納税についてのご質問にお答えいたします。
ふるさと納税制度は、自分が生まれ育った故郷や思い入れのある自治体を応援する制度として創設されたものでございますが、近年では、制度の趣旨を逸脱するような返礼品の過当競争が生じてきたところでございます。
本市としては、このような流れを憂慮し、返礼品は取り入れず、制度の本来の趣旨に則り運用してきたところでございますが、国におきましても、ようやくこの流れを是正すべく、令和元年に地方税法等の改正が行われたところでございます。
この改正の主な内容としましては、返礼品の返礼割合を3割以下とするとともに、返礼品を地場産品に限ることとされ、こうした条件を満たした場合のみ、総務大臣がふるさと納税の対象自治体として指定すると言う仕組みができたところでございます。
この改正を受け、今後はふるさと納税の従来の趣旨に加え、地場産業を育成するツールの一つとして捉える動きが進んでいくものと考えております。
(略※)
○松本議員
次にふるさと納税についてですが、ふるさと納税を巡る状況が変わっているものと理解します。
そのうえで、地場産業育成のツールとなりえるふるさと納税制度の改革、さらなる促進について、どうお考えかお聞かせ下さい。
○森西議長
市長公室長
○大橋市長公室長
地場産業の育成とふるさと納税ということでございますが、本市としましては、これまでも「摂津すぐれもん」など、市内企業を応援する取り組みを実施してきたところであり、約4,000社の企業が集積する本市におきましては、地場産業の育成は、まちづくりにおける重要なテーマであると認識しているところでございます。
今回の国の法改正により、ふるさと納税制度が地場産業の育成に係る施策の展開に、大きな影響及ぼす可能性もあることから、先進市や近隣各市の動向踏まえ、本市にふさわしい「ふるさと納税制度」の構築について、改めて研究して参りたいと考えております。
○森西議長
松本議員。
○松本議員
産業のまち摂津に相応しいふるさと納税制度の構築を、しっかりと研究して頂けばと思います。
その一つとして、せっつすぐれものを返礼品にし、PR並びに販売促進を行うよう検討を要望致します。
(音声データ等より作成)
※当該質問に関係のない他の質問項目の部分は省略しています。
上記のように取り上げました。行政もふるさと納税制度の更なる改革に向けて、動き始めました。
より市民の為になるこの流れを止めないよう、ふるさと納税制度の改革を実現するようしっかりと取り組んでいきます。具体的には、地場産業育成のツールとして、シティプロモーションとしてふるさと納税の活用を実現します。
Ⅵ 関連リンク
(追記 2022年3月31日)