Ⅰ 概 要
摂津市立別府コミュニティセンター(左写真)は2016年11月の開設から約5年が経過しました。
この別府コミュニティセンターは、地域に根差した施設を目指している中で、運営における課題が明らかになってきています。そして味生公民館の建て替えで、味生コミュニティセンターの基本構想が計画されており、改めてコミュニティセンターの在り方、特に稼働率と使用料について検討すべき時期となっています。
具体的に別府地域の方々からも、コミュニティセンターをもっと活用できるよう使用料の引き下げの要望があります。この5年間の経過も踏まえ、コミュニティセンターの稼働率と料金について、議会で取り上げ、今後に向けて議論を行いました。
Ⅱ 現況について
摂津市立別府コミュニティセンターはこれまでの別府公民館を廃止し、その代わりとなる地域コミュニティの拠点として計画され、建設されました。
その違いは施設を所管する担当部署が、学習施設である公民館(教育委員会所管)とコミュニティ施設(生活環境部所管)との差異からも、その意義が変わりました。
合わせて、別府コミュニティセンターの料金設定は、公民館当時から大きく変更され、既に運営されていた阪急摂津市駅前のコミュニティプラザと同じ料金設定となりました。(上記写真)
ここが大きなポイントです。
例えば、公民館の集会室を夜間利用しようとすれば、その使用料は900円かかります。これに対して別府コミュニティセンターでは集会室1の場合1,600円、集会室1・2を合わせれば2,800円かかります。つまり使用料が大幅に上がったといえます。これは受益者負担も考慮されたものですが、当時から適切なのかという疑義はあったとのことです。
その為、市は別府公民館を使用してきた登録クラブへは、別府コミュニティセンターでの使用料について、激変緩和措置が取られてきました。
Ⅲ 2021年6月議会の一般質問
別府コミュニティセンターでの5年間の運営を踏まえ、やはり実際の使用者・地域の方々から「使用料が高い。」という声が大きくなって参りました。
その地域の声を踏まえ、使用料を見直す必要があるのではないかという事を、2021年6月24日の議会で取り上げました。その内容が以下のものです。
令和3年第2回定例会一般質問 ~本会議2日目 令和3年6月24日~
議事録(抜粋)
2 今後のコミュニティセンターの稼働率・料金について
○松本議員
2 今後のコミュニティセンターの稼働率・料金についてですが、別府コミュニティセンターにおいて、さらに地域に根差した施設をという中で、地元から料金引き下げの要望があります。
そこで現状の料金設定等の経過についてお聞かせください。
(略※)
○森西議長
生活環境部長
○松方生活環境部長
別府コミュニティセンターの料金についてのご質問にお答えいたします。
本施設の使用料につきましては、全てのサービスを税金で負担するのではなく、サービス利用者に適正な負担を求め、受益と負担の適正化を図ることを目的に、平成28年2月に策定いたしました「摂津市使用料・手数料等の見直しに関する基本方針」に基づき、人件費や物件費の原価と貸出面積等を踏まえ、使用料を算定しております。
また、これまで別府公民館をご利用いただいておりました登録クラブの方に対しましては、公民館の使用料からコミュニティセンターの使用料へ移行する激変緩和措置といたしまして、平成28年度が8割5分、平成29年度が7割5分、平成30年度が6割、令和元年分が5割の減免措置を設けさせていただいておりました。
(略※)
○松本議員
次に今後のコミュニティセンターについてですが、料金設定経過、緩和措置については理解しました。
別府コミュニティセンターは開設後、約5年経過します。施設、設備が新しくなり、気持ち良く利用できるとの声も聴きますが、一方、料金が高く使いにくいという声もあります。
この5年間の利用者の意見はどのように把握をされているのか、また施設の稼働率についてもお聞かせください。
○森西議長
生活環境部長
○松方生活環境部長
(略※)
別府コミュニティセンターの利用者のご意見や稼働状況についてのご質問にお答えいたします。
別府コミュニティセンターをご利用される方のご意見をお聞きするために、指定管理者が毎年アンケートを実施されております。
令和元年度と令和2年度のアンケート結果のうち、職員の待遇や設備についての項目では、70%以上の方が「非常に良い」「良い」と回答いただいており、「悪い」「非常に悪い」と回答いただいた方は約1%で、概ね良い評価を頂いていると認識しております。
また、自由に意見をご記入いただく、感想の項目につきましても、「新しくて綺麗である」「気持ちよく利用できる」などの評価の感想をいただいておりますが、使用料が高いというご意見も毎年10件以上をいただいているところでございます。
稼働率につきましては、新型コロナウィルスの影響が大きいため、令和2年度を除いた数字で申し上げますと、平成29年度が16.8%、平成30年度が24.4%、令和元年度が25%でございました。
一方で、コミュニティプラザの稼働率は、平成29年度が46.6%、平成30年度が49.6%、令和元年度が45.9%であり、別府コミュニティセンターの稼働率と比べますと大きな差があります。
大きな差が生じる理由につきましては、各施設で実施されている令和元年度のアンケート調査結果では、別府コミュニティセンターを利用された方は、58.6%が別府小学校区にお住まいの方で占められていますが、コミュニティプラザを利用された方は、摂津小学校区が21.1%で最も多くなっておりますが、全小学校区の利用もあり、市外の利用者の方も31.4%となっており、コミュニティプラザは、市内・市外を問わず様々な方が利用されており、利用者層の違いが主な理由と考えております。
一方で、使用件数につきましては、閉館いたしました別府公民館の平成27年度の使用件数1,048件に対しまして、別府コミュニティセンターの使用件数は、平成29年度1,924件、平成30年度2,503件と増加しており、令和元年度は、新型コロナウィルスの影響で3月9日から3月末まで施設の貸館を停止していましたが、使用件数は2,435件と平成27年度の別府公民館の使用件数に比べ、2倍以上に増加しているところでございます。
○森西議長
松本議員。
○松本議員
市民の声、そして稼働率等の状況については理解をしました。
お聞きするに阪急摂津市駅前のコミュニティプラザと別府コミュニティセンターの利用者の状況を踏まえ性質が異なっている事が明らかになってきたものと考えます。
これから味生コミュニティセンターの基本構想策定の予算を計上されていますが、料金の設定について、どうお考えかお聞かせください。
○森西議長
生活環境部長
○松方生活環境部長
味生地域のコミュニティセンターの料金についてのご質問にお答えいたします。
令和2年度に実施いたしました、「摂津市コミュニティ施設に関する基礎調査業務報告書」をもとに、本市に求められるコミュニティ施設のあり方を定めて参ります。
その後、このコミュニティ施設のあり方を踏まえ、令和3年度中に、味生地域のコミュニティ施設の規模や機能についてまとめた基本構想を策定する予定でございます。
コミュニティ施設のあり方を検討する際には、多くの方々に利用して頂ける地域に根ざした施設となるよう求められる機能や規模等について検討し、使用料を設定して参ります。
○森西議長
松本議員。
○松本議員
是非、本市に求められるコミュニティ施設のあり方を定めるということで、そこは別府コミュニティセンターの状況、市民ニーズも反映して頂きたいと思います。
そのうえで、基本構想策定に向けての、稼働率の向上、料金の設定について検討して頂き、コミュニティセンターが市民の方に活発に、効率的に利用される施設とされるよう強く要望致します。
(音声データ等より作成)
※当該質問に関係のない他の質問項目の部分は省略しています。
議会での質疑において、コミュニティプラザと異なり別府コミュニティセンターは、地域性の高い施設であることが、これまでの利用状況で明らかになりました。市としても地域に根差した施設となるよう使用料を検討するという答弁でした。
やはり、5年間の経過を踏まえ、利用者層の違い、稼働率の差など多くの状況が見えてきたといえます。これを機に、コミュニティセンターでの市民サービス向上に向けた議論を加速していく必要があります。
Ⅳ 今 後
味生コミュニティセンターの基本構想も策定されていく中で、市全体、そして市外利用者からも多く利用されるコミュニティプラザと、地域の方々が多く利用するコミュニティセンターでは異なる性質を踏まえ、料金設定を同じとするのではなく、その性質に応じての取り組み・運営を行うべきです。
また、コミュニティセンターの施設は公民館よりも利用者のニーズを満たしていることは、件数からも分かりますが、まだまだ稼働率を向上させ、地域コミュニティを活性化することが可能です。そのためには使用料の引き下げは必要です。
今後もコミュニティセンターでの稼働率向上と使用料の引き下げをしっかりと提言し続けて参ります。
Ⅴ 関連リンク