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地域経済の活性化と摂津ビジネスサポートセンターの強化、令和4年度の取組み


Ⅰ 概 要

 地域経済の活性化について、コロナ禍で影響を受けた市内の事業所を支援する取り組みが必要不可欠です。

 そしてコロナ禍だけではなく、ロシアによるウクライナ侵攻等での様々な影響による原油価格上昇での物価高騰等が、経営を圧迫しています。

 

 そのような状況の中、市内事業所が生き残っていくことができる、苦境を乗り越えることができる、そのことを支援することが行政に求められています。

 

 コロナ対応のため、令和3年度に開設された摂津ビジネスサポートセンターは好評で、令和4年度はその機能強化が図られるなど、支援策が拡充しています。ビジネスサポートセンターの機能強化は議会で提言しており、実現した形となりました。

 改めて、令和4年第1回摂津市議会定例会で取り上げられた中小企業支援策の一部を紹介します。表については「摂津市令和4年度主要事業一覧」から地域経済支援策に関わるものを抜粋したものです。

 

 


Ⅱ 地域経済活性化・産業振興策の取組み

 市の産業振興施策の一部を紹介します。

参照:民生常任委員会記録 令和4年3月10日、3月14日

1.スクラッチカード発行事業

 市は、コロナ禍の商業支援対策として令和2年度と同様に令和3年度も当初予算の交付金を倍額にして補正を行い、当選確率を倍増の40%に設定しました。

 その実施時期として、令和3年11月10日から12月10日で、参加店舗は183店舗と令和2年度より増えている状況でした。スクラッチカードの発行総枚数は7万6,959枚で、300円券、1,000円券の交換率は75%を超えている状況でした。

 店舗からアンケートでは、ほとんどの店舗の方が満足し、「地域の活性化につながった。」、「お店の宣伝や売り上げ、顧客の増加につながった。」というような高い評価を得ています。令和3年度の参加店舗の紹介としてインスタグラム等もやっており 、今後も続けていく予定です。

 令和4年度の新たな取り組みとして、広報課で来年度にインスタグラム投稿に関して、コンテストを開催するというので、その賞品としてスクラッチカードの参加店舗で利用できる商品券などを採用し、よりこの事業を盛り上げていきたいと考えています。

 

 

2.中小企業等新商品開発の支援補助金

 市の新たな補助金制度で、この補助金の創設した狙いは、令和3年度設置した摂津ビジネスサポートセンターとのコラボが図られることです。

 新たなチャレンジをされる事業者の方を応援する支援策として、この新商品開発支援補助金があり、まずは、ビジネスサポートセンター(ビジネスサポートセンターが、経営課題の核となる部分、不況下での事業見直し、下請の脱却のために新商品開発、販路拡大の相談にのれる体制を整えています。)で相談していただいたB to Bの事業者の方が、B to Cの新商品を開発する事例を対象にして、支援していくことを想定しています。

 

 

3.創業支援関連

 創業のため、具体的な方策について、創業者の方に金融機関が支援しており、特に市内の金融機関に関して、市のほうから、創業関係の補助金もあり、しっかりと促していくことで、相談、創業の補助金等につなげていったり、新たな支援策につなげていけるのではないかと考えています。

 また、起業融資補助金も実際、創業の補助金で、金融機関から上がってくる補助金は令和3年度は例年より少ないが、5件の相談がありました。しっかりと市内金融機関と連携しながら、創業者の方の支援をしていきます。

 

 (2022年第1回定例会での代表質問・委員会等での答弁等から抜粋)

4.ふるさと納税での返礼品について

 地場産業の活性化とシティプロモーションを兼ねてふるさと応援寄附金の追加として、返礼品が設けられます。事業の推進は、専門の業者に委託することを想定しているもので、2022年5月頃に返礼品提供事業者向けの説明会の開催および返礼品の募集を開始し、商品を選定されます。合わせて、寄付額の3割以下の制約のもとで寄付額を決定されます。

 その後、9月頃に委託業者の電子商取引のサイト等へ商品等を掲載し、周知を図り、募集を開始する予定です。

 シティプロモーションの効果として、市内事業者の魅力的な商品等を返礼品として送付することにより、市の認知度やイメージを向上させ、協働人口の増加につなげていくものです。

 詳細はブログ「摂津市のふるさと納税改革を実現、返礼品の実施へ」 

 

 


Ⅲ ビジネスサポートセンターの強化

 昨年度から始まった【摂津ビジネスサポートセンター】について、これまでの取り組みの成果と令和4年度の強化策等について紹介します。

(写真は左から山之内センター長、長谷川副センター長、私です。)

 

 ビジネスサポートセンターは令和3年4月から当初、週1回のスタートで1日3枠の予約枠を設定して実施し、コロナ禍の今後の事業展開、経営改善等について事業所の方からの相談ニ ーズが高かったことから、7月以降は週2回に変更して実施しています。

 

 令和4年1月までの実績は、198枠の相談枠のうち、189枠の相談数となっており、実施率は95.5% でした。また、相談者の事業所の方からコロナ禍の事業展開として新商品の開発の取り組み、新商品を開発してクラウドファンディングを実施する例がこの一年弱の間に既に5事例出ています。

 また、多くの方が販売開拓用に新たにホームページを作成されるなどの実績も出て、非常に効果があったのではないかと考えられています。これらの実績の取り組みから、令和4年度も引き続き週2日の相談の実施体制で行われます。

 

 

 さらに、令和4年度の取り組みとしては、相談者の約半数48%の方が女性の方であり、女性相談員を1名増員し、より幅広い対応や深い相談ができるように強化されました。

 女性相談員(副センター長)は女性起業家で、経営者でもあり、非常に期待される方です。サービス業関連のコンサルも得意とお聞きしました。

 

 また、相談の中で業界の特性にあった専門家を交えたオンラインでの相談を実施するなど、より幅広い相談に対応できる体制づくりに取り組み、事業所の相談者の方に寄り添った相談体制を構築していくとのことです。

 

 そして設立から1年が経ち、ビジネスサポートセンター長がこれまで培ってきた人脈、ネットワークも生かされてきており、市内事業者市外事業者とのコラボ、そういったことも進められています。

 

 

参照:民生常任委員会記録 令和4年3月10日、3月14日


Ⅳ 議事録

 3月議会では代表質問にて、市の地域経済の活性化について令和4年度の取組みを確認するとともに、摂津ビジネスサポートセンターのその成果と今後の機能強化などについて議論を行った。

 

 

令和4年第1回定例会代表質問 ~本会議2日目 2022年3月7日~

議事録(抜粋)

(自民党・市民の会の松本議員が会派を代表して質問。内容は会派で検討したものである。)

 

6-1 地域経済の活性化について

 

○松本議員

 6-1地域経済の活性化について、新型コロナウイルス感染症の収束がいまだに見通せず、地域経済を担う中小企業等の事業継続が危機に瀕しています。

 地域経済の活性化には、行政のみならず、地域住民や地元企業、民間団体等の主体的な取り組みを広く展開・連鎖させ、機能させることが重要です。

 地域経済の活性化に対する意気込みをお聞かせ下さい。

(略※)

 

○森山一正市長

 地域経済の活性化についてのご質問にお答えいたします。

 国の月例経済報告では、景気は、持ち直しの動きが続いているものの、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中で、一部に弱さが見られる。また様々な要因による下ぶれリスクに充分注意する必要がある。としており本市も国の景気動向に影響受けております。

 このような現状の中、市内事業者の方々は、事業を継続し、地域経済を支えていただいております。市内事業者の経営力を高め、経営環境の変化に対応できる中長期の支援を行う一方で、地域経済の現状を注視した臨機応変な支援策を実施するなど、今後も国や府と連携して、地域経済の活性化にしっかりと取り組んで参ります。

(略※)

 

○松本議員

 6-1地域経済の活性化について、地域経済の活性化に対する意気込みを理解しました。是非、市内事業者に寄り添った支援をお願いします。

 さて、会派で提言してきたビジネスサポートセンターが昨年設置され、非常に好評であると伺っております。本市独自のビジネスサポートセンターの前年度の実績も踏まえた令和4年度の取り組みについてお聞かせ下さい。

(略※)

 

○生活環境部長

 続きまして、ビジネスサポートセンターの令和3年度の成果と令和4年度の取組みについてのご質問にお答え致します。

 ビジネスサポートセンターは、令和3年度から週1日の開設で1日3枠の予約枠を設定していましたが、コロナ禍で今後の事業展開など多くの相談があり7月以降、週2日に開設日を増加しました。令和4年1月末までの実績ですが、相談枠による利用率は95.5%と好評であり令和4年度から週2日の実施を予定しております。相談内容も商品販売のためのホームページ作成から新商品開発、起業など様々な相談に対応しております。

 令和4年度の取り組みは、相談体制の充実・強化のため女性相談員を1名増員します。女性特有の分野に関連した相談や女性割合が高い傾向にある創業相談に女性目線で対応できる相談員を配置するものです。

 同センターの特色である相談者が持つ強み活かしながら課題解決に向けて伴走型で相談する取り組みをさらに発展させて、事業者に寄り添った相談支援体制を構築して参ります。

(略※)

 

○松本議員

 6-1地域経済の活性化について、ビジネスサポートセンターの取り組みについて理解しました。会派として要望していた相談体制の充実・強化を図られるとのことで、更なる発展を期待します。

 地域経済の活性化に向け、引き続き、商工会や他の中小企業支援策とも連動させ、合わせて事業承継問題につながる人材確保支援なども検討、連携されより効果的に取り組まれることを要望致します。

 

(以上)

(音声データ等より作成)

※当該質問に関係のない他の質問項目の部分は省略しています。

 

 


Ⅴ まとめ

 ヒト・モノ・カネを集める企業はまちづくりの根幹です。

 

 企業に元気が無ければ、人は去り、税収は下がり、行政サービスは低下し、また企業も去るという悪循環が生じます。海外との競争激化、ビジネスモデルチェンジの加速度化、人口減少問題等、企業を巡る環境は日増しに厳しくなっている今、まちづくりに欠かせない企業の存続のための支援が行政に一層、求められる時代なのです。

 

 今、企業において、厳しい経営環境の中、生き残ることができる、持続可能な経営を見出せる、これが実現できれば、今後どのような事態にも対応でき、存続していきます。

 

 そして、人が集まり、税収も上がり、行政サービスは向上し、さらに企業と人が集まるという好循環が市内で生じます。

 

 市として、様々な支援策を持って、企業支援を行うことが非常に大切にであり、商工会との連携やビジネスサポートセンター強化も含めて、議会で引き続き提言して参ります。

 

 そして、当然ながら大阪府との連携も必要大阪府よろず支援拠点など)です。ネットワークの拡大や専門性の高いサポートを担って頂くといった事も今後検討し、少しでも相乗効果を図ることができる、その取り組みを提言していきます。

 

 

 


 

◎ 追記 12月1日

 10月下旬に令和3年度の決算認定に関わる質疑が議会でおこなわれました。議事録が市で作成されたので、その質疑の中で、ビジネスサポートセンター関連について、抜粋して掲載しました。

 

 

令和3年度決算~民生常任委員会 令和4年10月24日~議事録(ビジネスサポートセンター関連抜粋)

 

〇松本暁彦委員

 14番目、ビジネスサポートセンターについて、決算概要112ページです。これは先ほど来、質疑もございました。令和3年度で初めて取り組む事業で、報告会には、私も参加して聞かせていただきました。最近ですと、読売新聞にも取り上げられ、認知度が向上していると認識をしております。

 他の委員からの質疑も踏まえ、市としてビジネスサポートセンターに関するニーズをどのようにとらえているのか、総括的にお聞かせください。

 

〇鈴木産業振興課長

 それでは、産業振興課に係ります質問番号14番、決算概要112ページの中小企業育成事業についてお答えさせていただきます。摂津ビジネスサポートセンターのニーズをどうとらえているかというご質問かと思います。摂津ビジネスサポートセンターにつきましては、開設以来高い予約率を維持しておりまして、予約日が少し先の日になることは認識しております。

 また、令和3年度では、相談回数2回以上の相談者が60%を占めておりまして、新規相談者の予約が取りづらいというご意見もお伺いしております。それらの課題に対応するため、年度内の相談回数を制限するなど、一定の制限を設けることは検討しております。

 また、突発的な相談や集中的に支援が必要なケースなど定例の相談日以外にも柔軟に対応できる仕組みも求められております。以上でございます。

 

〇松本暁彦委員

 14番目、ビジネスサポートセンターです。こちらについては、中小企業のニーズがあると、それらを工夫していると理解をいたしました。ビジネスサポートセンターの設立当初は最小限の費用でまずは実績をつくることが大切として始まったと認識をしております。コロナ禍の中でニーズが予想よりも多く、半年後には週1から週2にふやし、さらにそのニーズも踏まえ、令和4年度には女性の副センター長をふやし、進化発展させていることは高く評価をするものです。

 しかしながら、まだ2年目で、より一層のニーズを満たす発展的取り組みが求められると考えております。

 例えばリピーターが多いということは、伴走型支援としてあるべき姿です。しかし、リピーターが多過ぎると新規相談者の予約が入りづらくなるのは必然です。その点を問題と考えております。そのため、実績を踏まえ十分な対応ができる範囲での相談回数の上限を検討すべきではないでしょうか。

 また、商工会等からビジネスサポートセンターの現状をお聞きしておりますと、火曜、木曜の指定日以外でも緊急連絡、メールでのやり取り、各種資料の作成等がふえているとのことです。ニーズが高まることで、予想外の所要もふえているとお聞きしております。ビジネスサポートセンターが成果を出していることも踏まえ、さらに市内事業者のために活躍してもらえるよう、商工会とも連携して適切にビジネスサポートセンターの発展を図っていただくように、要望とさせていただきます。

 

(以上)

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令和3年度決算 民生常任委員会議事録2022.10.24
20221024minsei.pdf
PDFファイル 1.3 MB

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