Ⅰ はじめに
令和5年度からの摂津市では、茨木市とのごみ処理場の広域連携が開始されます。
ただ、処理場が一本化されるにあたり、ごみ分別の変更や収集運搬体制の見直し、市の廃棄物処理部門の体制変更など多くの諸課題をクリアしなければなりません。当然ながら、市民サービスの向上も求められます。
広域連携は、本市のごみ行政の大きな改革となるものなのです。この改革を市としてどう進めていくのか等、議会にて質疑を行いました。
Ⅱ 令和5年度からのごみ処理場の広域連携
令和5年度から、茨木市との広域連携が開始されます。
具体的には、本市の環境センター(ごみ焼却施設)が運転停止し、本市のごみについては茨木市の環境衛生センター(左写真)にて処理されることになります。
茨木市環境衛生センターにごみ焼却施設を一本化することで、摂津市環境センターの建て替え等の多額の財政支出を抑えることができます。当然ながら、本市は茨木市と費用分担を行うことで、茨木市も費用負担は軽減され、両市にとって望ましい連携となります。
また、本市の処理負担金については、ごみ搬入に関して、定額金とごみの量に応じた費用と二つから成ります。ごみの量を減らすことで、負担金もさらに減らすことが可能となります。
また、茨木市の高い性能を持つ溶融施設を活用できることにより、市民のサービス向上につなげることができます。
Ⅲ 変わるごみ分別・利便性向上
現在、広域連携開始に向けた市のごみの分別に関する考えですが、茨木市環境衛生センターで溶融処理をすることから、これまでできなかったより多くのモノが処理することができます。(摂津市は焼却処理)
そのため現在の「燃やせないごみ」のうちプラスチック等を「燃やせるごみ」と合わせ、「普通ごみ」とし、週2回の収集へ、比較的排出量の少ない陶器などの「燃やせないごみ」を「複雑ごみ」と区分し、月1回の収集とする予定です。
その他、「資源ごみ」では、コロナの影響による通販需要の拡大などで排出量が増加傾向にある段ボールを、回数を月1回から月2回に変更予定です。
リチウム電池やモバイルバッテリーなど慎重な取り扱いが必要なものについては、蛍光灯等と合わせて収集を行うなど、再生資源の活用促進・収集ニーズを考慮した見直しを行うとしています。
市民への周知については、新たにごみ分別ハンドブックを作成した上で、全戸配布を行うとともに、地域での説明会開催、ホームページや広報誌への掲載など多様な方法を活用して行うとしています。
Ⅳ 組織体制等の改革へ
広域化に伴う行政側の処理体制の変更も求められます。これが大きな改革となります。
まず、ごみ処理の広域化開始に伴い、摂津市環境センター(左写真・鶴野)は、令和5年3月末までに搬入されたごみを処分した後、主たる役割が終了します。
そのうえで、施設の管理など一部継続して行う必要がある業務及び収集運搬業務については、広域化後においても行うこととなるため、市は環境業務課及び環境センターにおける運営体制・人員体制の見直しを行うなど組織再編を行うとしています。
そして広域化に伴う、分別区分の見直しを実施する上で、円滑にかつ確実に行うことができる収集体制整備に加え、茨木市のごみ処理負担金に直接的に影響するごみ量の減量化・様々な相談調整が必要となる地域との連携、災害時における廃棄物処理への備えなどが重要となり、これらの事項に組織的に対応するため、廃棄物処理体制の在り方について検討するとしています。
当然ながら、収集体制においては民間事業者との連携を図ることも求められています。
特に、ごみ処理場の距離が必然的に全体として遠くなる中で、ごみ収集からセンターまでの移動経路、移動回数、等々が変わります。ごみ収集で市民からの回収が遅くなったなどのクレームを少しでも回避する工夫が求められます。
また、市民によるセンターへの直接搬入もこれまでの鶴野から摂津市と茨木市の境目のところまで遠くなり、その影響がどのように出てくるのかも予想して対応しなければなりません。
課題はまだまだ盛沢山です。
しかし、これらの課題をしっかりと解決することができれば、市民サービス向上につながるものと考えます。
そのため私は、この広域連携を機に改革を行って、当分野での行政サービス向上を一層図るべきと提言していますが、懸念材料として人材の確保があります。
民間事業者もさることながら、市の直営職員の確保もまた考えていかなければなりません。
そのため、議会においては持続可能な廃棄物処理体制を構築を目指して、事業者との更なる連携、そして直営の職員確保について議論を進めるなど、しっかりと改革を進めるよう要望しています。
Ⅴ 議事録
上記内容について議会で一般質問を行いました。
ご参考下さい。
4 ゴミ処理広域連携に向けた進捗状況等について
令和4年第3回定例会一般質問 ~本会議2日目 令和4年9月22日~ 議事録(抜粋)
○松本議員
ごみ処理広域連携に向けた進捗状況等について、着々と茨木市とのごみ処理場の広域連携の準備を進められていますが、開始にあたり、市民に特に影響があるごみの分別について、どうお考えかお聞かせ下さい。
(略※)
○南野議長
生活環境部長
○生活環境部長
「広域化開始による分別区分の考え方」についてのご質問にお答えいたします。
ごみの分別に関しまして、広域化の開始に伴い、茨木市環境衛生センターにおいて溶融処理をすることから、現在の「燃やせるごみ」「燃やせないごみ」の区分の調整と名称の変更を行います。「燃やせないごみ」のうちプラスチック等を「燃やせるごみ」と合わせ、「普通ごみ」とし、週2回の収集へ、比較的排出量の少ない陶器などの「燃やせないごみ」を「複雑ごみ」と区分し、月1回の収集といたします。
その他、「資源ごみ」に関しまして、コロナウィルスの影響による通販需要の拡大など、市民の生活様式の変容により、排出量が増加傾向にある段ボールにつきましては、これまでも収集回数増加の要望もあったことから、回数を月1回から月2回変更いたします。リチウム電池やモバイルバッテリーなど慎重な取り扱いが必要なものにつきましては、蛍光灯等と合わせて収集を行うなど、再生資源の活用促進・収集ニーズを考慮した見直しを行って参ります。
市民の皆様への周知につきましては、新たにごみ分別ハンドブックを作成した上で、全戸配布を行うとともに、地域での説明会開催、ホームページや広報誌への掲載など多様な方法を活用して丁寧に行って参ります。
(略※)
○松本議員
次に、ごみ処理広域連携について、ごみ分別について利便性向上につながるものと理解しました。周知も宜しくお願い致します。
さて、広域連携で本市環境センターが運転停止するなど、その処理体制が変わりますが、それらについてどうお考えかお聞かせ下さい。
○南野議長
生活環境部長
○生活環境部長
広域化に伴う処理体制の変更についてのご質問にお答えいたします。
ごみ処理の広域化開始に伴い、摂津市環境センターにつきましては、令和5年3月末までに搬入されたごみを処分した後には、主たる役割が終了することになります。
施設の管理など一部継続して行う必要がある業務及び収集運搬業務につきましては、広域化後においても行うこととなるため、環境業務課及び環境センターにおける運営体制・人員体制の見直しを行うなど組織再編を行って参ります。
○南野議長
松本議員。
○松本議員
組織再編を行うと理解しました。
この広域連携は本市のごみ行政の大きな改革でもあります。これを機に当分野での行政サービス向上を一層図るべきですが、懸念材料として人材の確保があります。
行政サービスを低下させず、向上するための廃棄物処理部門の在り方について、どうお考えかお聞かせ下さい。
○南野議長
生活環境部長
○生活環境部長
廃棄物処理部門のあり方についてのご質問にお答えしたします。
広域化に伴う、分別区分の見直しを実施する上で、円滑にかつ確実に行うことができる収集体制整備に加え、今後は、茨木市のごみ処理負担金に直接的に影響するごみ量の減量化・様々な相談調整が必要となる地域との連携、災害時における廃棄物処理への備えなどが重要なこととなって参ります。
これらの事項に組織的に対応するため、廃棄物処理体制の在り方について検討し、事業者との連携を図りながら、持続可能な廃棄物処理体制を構築して参りたいと考えております。
○南野議長
松本議員。
○松本議員
是非、持続可能な廃棄物処理体制を構築して頂きたいと思います。
事業者との更なる連携、そして直営の職員確保について議論を進めるべきと考えます。広域連携が市民にとって不便になったと云われぬよう、しっかりと改革を進められるよう要望致します。
(以上)
(音声データ等より作成)
重要と思われる部分には強調を入れています。
※当該質問に関係のない他の質問項目の部分は省略しています。
Ⅵ まとめ
このごみ処理場の広域連携は、本市のごみ行政の大きな改革です。
この改革を成功裏に収めるべく、議会において収集運搬体制においては、事業者との更なる連携、そして直営の職員確保について議論を進めること、行政サービスの向上の取組推進等、広域連携が市民にとって不便になったと云われぬよう、しっかりと改革を進めるよう提言しています。
Ⅶ 関連リンク