Ⅰ はじめに
健康な人、健康な子どもにマスクは必要ありません。
今は、コロナ禍ということで感染予防の為に、国によりマスク着用が奨励されている現状があります。
ただ、長期間にわたりマスク着用を続ける中で、子ども達へのマスク着用の様々な弊害が明らかになってきました。学校生活にも支障が及ぶこともあります。
感染対策は講じつつも、マスク着用の弊害から子ども達を守る取組みを進める必要があります。
市内の保護者方々が行動を起こしました。議会からも動かねばなりません。
Ⅱ 教育委員会への要望書
10月12日、市内に住む児童の保護者方々から、教育委員会に要望書が提出されました。
その要望書は「マスク着用の弊害から子ども達を守る取組み推進に関する要望」というものです。
左写真はその要望書です。(保護者方から許可済・提出者名等は黒塗り)
合わせて、マスク弊害に関する資料、マスク差別防止のチラシ等も提出されました。
私は事前に保護者方から相談を受け、要望書の作成をサポートさせて頂くと共に教育委員会とも協議して、教育委員会への要望書提出の場をセッティングさせて頂きました。
そして、当日も立ち合い、保護者方々の説明、教育委員会とのやり取りを聞かせて頂きました。
その内容の概要は要望書に沿ってですが、
「長時間にわたるマスクの着用は頭痛、熱中症、皮膚炎、そしてコミュニケーション阻害という弊害をもたらします。
多くの子ども達、そして大人の方々はそういった情報を知らず、ただただマスク着用は感染防止の為に必須で、着けるのが当たり前という考えをもっています。
例え屋外であっても、マスク着用の本来の意義を深く理解せず、着けているのが当たり前、他の人が外さなかったら自分も外さないという子どもが大半を占め、図らずも自らの身体を傷つけている現状があります。
そして、マスクを着用できない子どもへの心無い言動が学校内で起きています。大人もしかりです。
その為、学校生活が全然楽しくない。むしろ苦痛であるという子どもたちの声を聞きます。親として辛く何とかこの状況を改善して欲しいと、切に願っています。
そのためには、マスクを外す云々の前に、マスク着用の弊害をしっかりと認識する必要があるのではないでしょうか。その認識があれば、本来すべきものではないし、着用できない子への対応が大きく変わるでしょう。
そのうえで、誰もが平等に教育を受ける機会を教育委員会として守って頂きたい。また、必要の無い場所では積極的にマスクを外す指導を統一して行うべきです。」というようなものとなります。
保護者方は、マスク着用の弊害により、子ども達の健全な成長が阻害されていると強い危機感を抱かれ、要望書を作成し提出されました。
私はこの件は氷山の一角と捉えています。
声を上げれていない子ども達・保護者が、市内にまだまだ多くいると予想しています。
保護者方の声を聞く中で、マスク着用のデメリットが分かってきた今、アフターコロナも見据え、マスクを外せる環境をそろそろ構築していくべきではないかと思います。
改めて、学校におけるマスク着用の制限はどのようなものでしょうか。
Ⅲ マスクの現状
9月頃、小学校を訪問した際、体育授業を受けている子ども達の9割が屋外にもかかわらず、マスクを着用しているのを目の当たりにしました。
その理由を校長先生にお聞きしたところ、マスクを外しても良いと教師は指導しているが、子ども達は周りを見て右に倣えをしている状況であると、いうのです。
その事は他の小学校、また中学校でも同様です。自分だけ外すのは恥ずかしいからとか、マスク依存症に近いのではと思うところもあります。
その要因の一つとしては、保護者からのクレーム・反発を恐れた学校等が強い指導をできていないというのが挙げられます。
そして、マスクの弊害を知らないというのも大きな要因です。そのため子ども達の中でも「マスク警察」に近い言動をすることがあるとのことです。差別に近いことが生じています。
左写真は厚労省と文科省の「子どものマスク着用について」のお知らせです。
そこにはマスク着用の必要の無い場面がしっかりと記載されています。屋外は勿論のこと、屋内においても条件次第でマスクを外すことができます。授業中に、自習時間を設けマスクを外して深呼吸させるといった工夫も可能です。
なお、国はマスク着用を義務付けていません。あくまでも奨励です。
右写真は『学校における新型コロナウイルス感染症 に関する衛生管理マニュアル ~「学校の新しい生活様式」~ (2022.4.1 Ver.8)文部科学省 』の「給食等の食事をとる場面」を抜粋したものです。
赤枠が小中学校の給食の感染対策を示したもので、いわゆる黙食の根拠となるものです。
ここには「大声の会話を控える」と、ありますが、「一切喋ってはいけない」という文言は記載されていません。
しかしながら、黙食の定義を勘違いしたのか、給食中に「一切しゃべるな!!」と子ども達に指導する教師も一部ですが、今もいるのが現状です。
感染予防を徹底したいという気持ちは分かりますが、職権乱用に近いものであり過剰な対応で、子ども達の楽しみな時間を奪っていることを認識すべきものです。
給食に関しては、教育委員会も教師の発言は文科省指導の範疇を越えており、しっかり是正・指導すると、10月12日の要望書提出時の会話の中で答えています。
これらの状況を踏まえて、子ども達は勿論のこと、大人たちがしっかりとマスク着用の弊害を理解し、子ども達をそれらから守るという考えを持つことが、まずもって必要ではないでしょうか。
改めて、マスク着用の弊害とは何でしょうか。
Ⅳ マスク着用の弊害
マスク着用の弊害については様々なところで取り上げられています。
その一部をご紹介します。
1.「マスク頭痛の対処法とは?コロナ禍で増えるマスク頭痛の原因と対策」
コロナ禍で頭痛が増えた・悪化した人の中には、マスクが原因というケースがあります。最近では、「マスク頭痛」という言葉も登場しています。原因として、次の4つが考えられます。
【酸素不足】
マスクを着用していると、マスクが仕切りとなって、外から吸い込む空気の量が減ってしまいます。また、酸素が減り二酸化炭素が増えた呼気がマスク内にたまっていきます。マスク内では通常の空気と比べて酸素がおよそ87%に減り、二酸化炭素がおよそ30倍に増えるという報告もあります。
このような状態になると、血液の中でも酸素が少なくなり二酸化炭素が増え、より多くの酸素を体内に供給できるように血管が拡張します。その結果脳内の血管が拡張し、それが頭痛を引き起こすのです。(略)
出典:NHK HP「NHK健康チャンネルで確かな医療・健康情報を」
2.「マスクの弊害を知ろう!」
(略)
マスクの弊害2~皮膚のトラブル続出?
「長期間マスクをしていると、呼吸によってお口まわりの皮膚を中心にかなりの湿気を帯びてきます。温度や湿度が異様に高くなり、また長い時間マスクと接している皮膚面がかぶれて、接触性皮膚炎となって肌荒れを起こします。また尋常性挫創(ニキビ)が出来たり、他にも様々なトラブルが発生します。」
(略)
マスクの弊害4~子どもへの影響
「一般的に脳に酸素が足りない状態になると、ボーッとしたり、記憶力や集中力に影響が出たりするだけではありません。脳の活動が低下すれば、当然、幼少期や青年期の脳の発達にも影響があるでしょう。マスクをして日常生活をする分には重い酸欠になる可能性は低いですが、意識が混迷するような酸欠状態が続くと、脳細胞が死滅していきます。脳細胞は回復が難しいので、将来にわたって影響が残ることになります。」
(略)
3.「深刻な「コロナコミュ障」の実態が明らかに コロナ禍きっかけに、2割がコミュ力の衰えを実感 53.3%が感染リスクなしでも「マスクなし会話」に抵抗感 コロナ禍がコミュニケーションに与える影響について調査を実施」
・コロナ禍で全世代で約2割、10代女性の3人に一人が「コミュ力の低下」を実感。
・感染リスクなくても、「マスクなし会話に抵抗あり」が過半数の53.3%。10代女性はその割合が66.0%。
・低下したと感じるコミュ力のNO.1は「雑談・会話力」で24.9%。10代女性の38.0%が衰えを実感。
・「コロナ禍で孤独感を覚えることが増えた」人は21.8%。10代女性は37.0%。
■参考 日本人とマスクについて
【マスクのデメリット】
・「声が聞き取りづらくなる」「表情が見えなくなり、感情が伝わりにくくなる」など円滑なコミュニケーションが阻害されやすくなる
- マスクをすると、1,000キロヘルツ以上の高い周波数を持つ音、つまり、子音が伝わりづらくなる(シドニー大学音声研究所の研究)
- マスク装着時には、「怒り」「悲しみ」「恐れ」などの感情を認識しづらくなる(スペイン・大西洋ヨーロッパ大学の研究)
・ マスク依存症の増加→対人関係に支障きたすケースも
- 「マスクを外して、顔を見せることができない、不安になる」等の症状
- とくに小さいころからマスクをつけつづけてきたこともあって、外すことに抵抗感を覚えるという子どもが激増
(略)
4.「マスク下 口呼吸ご用心 唾液減り乾燥 雑菌繁殖の原因に」
「息苦しいから」と、無意識のうちにマスクの下で口がぽかーんと開いていないだろうか。そうした状態が続くと口呼吸になって、口の中が乾燥。雑菌が繁殖しやすくなるといったリスクがある。歯科医師らは、意識して鼻から空気を吸ったり吐いたりするよう呼び掛けている。(略)
口呼吸は、新型コロナウイルスを含め感染症予防の観点からもよくない。鼻呼吸であれば、鼻の入り口にある鼻毛がほこりや花粉をせき止め、さらに奥の粘膜の表面に生えた線毛がウイルスや細菌などの侵入を防ぐ。しかし、口呼吸だと、鼻より防御機能が落ち、吸い込んだ異物が直接肺に取り込まれやすい。
歯並びが乱れ、かみ合わせが悪くなる心配も。鼻呼吸だと、舌の表面は上あごについた状態になる。一方で、口呼吸で口が開くと、舌は上あごにつかず下がった状態に。その結果、舌が下の歯を内側から押し広げるのだという。
口呼吸が癖になったまま大人になると改善が難しい。(略)
出典:東京新聞Web「マスク下 口呼吸ご用心 唾液減り乾燥 雑菌繁殖の原因に」2021.4.6
マスクの弊害は、上記のように様々に挙げられています。
酸素不足、頭痛、皮膚のトラブル、子どもの脳の発達へのマイナスの影響、コミュニケーション阻害、マスク依存症の増加、口の中の雑菌増殖、歯並びの乱れ等々です。
それ以外にも不織布マスクをすることで、マイクロプラスチックを肺に吸入する危険性なども指摘されています。
健康な子ども達にとってはマスクはすべきものではないというのが十分に理解できるかと思います。大人とて同様です。
今はコロナ禍という極めて異例な状況で、たまたま感染予防というメリットが弊害のデメリットを上回っているもので、弊害そのものが無くなるわけではありません。機会を見ては子ども達にマスクを外させ、その弊害からも子ども達を守る努力が必要であるということです。
Ⅴ 今後の対応
本来であれば、国が子ども達のマスク弊害をしっかりと認識し指導を行う等で動くべきなのですが、それがいつになるのかは現時点では不明です。
そのため、摂津市として子ども達の為に行動を起こすことが求められています。文科省の指導の範囲内でもできることは、いっぱいあります。
具体的には以下の通りです。
① マスク着用の弊害を様々な機会を通じて、学校の教員・保護者・子どもに伝える。
② 保護者・地域の方向けの安全安心メールを活用しての定期的な啓発情報の発信
③ マスクを着用できない子どもへの差別をしないという啓発ビラの作成並びに掲示
④ 給食時の過剰対応を、全小中学校に是正するよう教育委員会から指導する。
⑤ 学校において少しでも多く、マスクを外せる機会を子ども達に提供する。
⑥ 教育委員会と学校は、マスクを外してることからのクレーム(マスク警察)から、子ども達を守ること。
⑦ ①~⑥を教育委員会はリーダーシップを発揮して実行すること。 等々です。
繰り返しにはなりますが、マスク着用の弊害から子ども達を守る取組みは、文科省の指導の範疇内でも色々と工夫することができます。
それには教員、大人が変わらなければなりません。そのため、現状を踏まえれば教育委員会のリーダーシップの発揮が必要でしょう。
左写真は泉大津市の教育長が「マスクの着脱について」をホームページに掲載しているもので、児童・生徒、保護者、先生、そして地域の方にマスクの着脱について適切な理解を求める内容となっています。
このような声明(文書)を摂津市教育委員会として出すことも良いのではないでしょうか。
当然のこと、議会からもをしっかりと上記諸々を踏まえて、対策を要望していきます。
Ⅵ まとめ
今や飲食店では大人たちがマスクを外し、お酒を飲みながら談笑している実態がある中で、子ども達はずっとマスクを着用し、制限された学校生活を過ごしているのです。それは子ども達の健全な成長にとって適切なのでしょうか????
今、しっかりとマスク着用の弊害から子ども達を守る取組みを推進していかなければなりません。そして、どの場面でマスクを外したら良いのか判断できない子ども達を、大人たちが導く必要があります。
そろそろ、マスクは絶対という固定観念から脱して現実的な対応に取り組むべきでしょう。TVで海外の状況を目にされませんか?マスクはほぼ0です。
片時もマスクを外すなんて信じられない!!と、反発される方もおられるかもしれません。もしそんなにメリットあるなら、24時間マスクを着用した状況を想像してください。流石に、それは身体に良くないと思ったのなら、短時間とて同様ではないでしょうか。
日本もアフターコロナも見据え、いつでもマスクを外せる環境も醸成していくことも必要ではないでしょうか。
マスク着用の弊害から子ども達を守りましょう。
〇追記 2022.11.25(啓発チラシ・配慮のお願い)
教育委員会は2022年10月13日にHPを更新し、「市立小中学校におけるマスクの使用とマスクをつけられない方への配慮のお願い」を掲載しました。
また、保護者への配信メールにても同内容が後日配信されたとのことです。
11月中旬、摂津市人権女性政策課で、ワクチン接種やマスクの着用に関する差別防止のチラシを作成しました。これは差別防止の啓発活動の対応の一つとなります。これもまた市民の要望を受けて、市に作成を提言してものとなります。
担当課には尽力して頂きました。
このようなチラシがあるだけで、明確に示すモノがあるだけで、当事者やその周りの対応は大きく変わるものと考えています。人権女性政策課は教育委員会へ各小中学校分の印刷したものを渡すと同時にデータも渡しています。教育委員会も保護者向けメールで配布するとお聞きしています。勿論、しっかりと配信すべきで、地域向けにも発信するように要望しています。
11月25日は、しっかりと貼られているのか、ある学校を訪問させて頂き、確認しました。左写真のように人権女性政策課から配布されたA3サイズのポスターが入り口にしっかりと掲示されていました。
また、配信されたデータを印刷して、幾つか貼る予定であるとお聞きしました。
一歩前進です。
下記リンクは同チラシのPDFデータがある人権女性政策課に繋がります。
リンク
摂津市人権女性政策課「新型コロナウイルス感染症に関する不当な差別や偏見をなくしましょう」
〇追記 2022.12.8(黙食の緩和)
文科省は11月29日、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」の変更等について、という事務連絡を出しました。その内容はワクチン接種の推奨と学校での黙食の緩和です。
その事務連絡に基づいて、11月30日に大阪府教育庁は国と同内容の事務連絡を市町村の教育委員会に行いました。
12月2日に摂津市教育委員会は学校長宛に同内容の依頼文書を出し、12月6日の校長会で教育長から各学校長にその旨を告げました。なお、ワクチン接種に関してはできない人や望まない人がいることに留意せよ、としています。
12月7日、教育委員会は「せっつ安全安心メール」にて、小中学校の保護者の方に黙食の緩和に関する内容を送りました。その内容は左写真の通りです。
各学校は具体的要領を検討し、黙食の緩和を進めていく予定です。(一部学校長聞き取り。)
どうしても濃厚接触者扱いとなる15分を壁と考えており、フリータイム、もぐもぐタイム(黙食)を使い分けていくような話もお聞きしました。
とにもかくにも、黙食の緩和が進みます。
〇追記 2022.12.22(議会質疑)
上記諸々の状況を踏まえ、12月議会にて質疑を行いました。内容は下記の通りです。
〇質疑概要
摂津市議会令和4年第4回定例会において、マスクに関する一般質問を行いました。
その内容は、今年10月に保護者の方から、マスク着用の弊害から子ども達を守る取組み推進に関する要望書が教育委員会へ提出された。要望書への教育委員会の対応として、マスク着用の弊害、着用の有無に係る差別、コミュニケーション阻害の黙食等について、どうされたのかを確認するため質疑を行ったものです。詳細は下記の通りです。
令和4年第4回定例会一般質問
~本会議3日目・令和4年12月20日~ 議事録(抜粋)
6 マスク着用の弊害と黙食等の小中学校の対応について
○松本議員
6 マスク着用の弊害と黙食等の小中学校における対応について、今年10月に保護者の方から、マスク着用の弊害から子ども達を守る取組み推進に関する要望書が教育委員会へ提出されました。
そこには、長時間にわたるマスクの着用は頭痛、熱中症、皮膚炎、そしてコミュニケーション阻害といった問題があると書かれています。
そこでマスクをつけることの児童・生徒へのデメリットについて、教育委員会の見解をお聞かせください。
(略※)
○福住議長
教育総務部長
○教育総務部長
マスクをつけることの児童生徒へのデメリットについて教育委員会の見解についてのご質問にお答えいたします。
新型コロナウィルス感染症防止の対策としての学校におけるマスクの着用は、大阪府教育庁から示されている「学校園における新型コロナウィルス感染症対策マニュアル」に基づき、2mを目安とした身体的距離や屋内・屋外、会話をするか、しないか等の状況に合わせて取り組んでいるところです。
しかしながら、2年以上続くコロナ禍において、マスクを着用することで、相手の表情を読み取りにくく、コミュニケーションが円滑に取れないということがあったり、それが原因で誤解を招きトラブルに発展してしまうことがあったりすると学校から報告を受けております。
また、マスクの着用により呼吸がしづらくなることもあり、とりわけ気温・湿度が高くなる夏季のマスク着用は、熱中症のリスクが高まる恐れがあります。
これらは、マスクをつけることでの子どもたちにとってのデメリットとして捉えております。
(略※)
○松本議員
最後に、マスク着用の弊害について、子ども達にとって多くのデメリットがあり、酸素不足での頭痛、そして脳の成長への悪影響も懸念されています。
さて、この弊害について教員は認識されておられるのか、また学校としてどう対応しているのかお聞かせ下さい。
○福住議長
教育総務部長
○教育総務部長
学校現場でも同じく、マスクを着用することで、コミュニケーションを取りづらくなることや、それに起因したトラブルが生起する事はマスク着用の弊害であると認識しております。
現在、学校においては、教員自身も大阪府教育庁の「学校園における新型コロナウィルス感染症対策マニュアル」に基づき、場面や状況に応じてマスクの着脱を行っておりますが、子どもや保護者の中にはマスク着用に賛否双方の意見があるため判断に迷うことがあり、着脱が徹底しない現状があります。
市教育委員会としましては、現場の教員が判断に迷うことが無いよう、マスクの着脱について、より具体的に例示するなど検討して参ります。
また、学校においては、どうしてもマスクをつけることができないなど配慮が必要な子どもへの個別対応も同時に行っております。
○福住議長
松本議員。
○松本議員
教員が板挟みとなっていることは現場からもお聞きしています。
マスクをすることでの感染予防のメリットは現状では大きいとされますが、弊害が無くなるものではなく、子ども達のためにその弊害を軽減することが求められます。それには各場面に応じた適切なマスク着脱が必要です。
例えば、エアロゾルは不織布マスクでもすり抜けます。飛沫を飛ばさないのであれば、マスクをしてもしなくても同じです。国の推奨通りで、屋外では不要ですし、屋内においても条件整えば、外すことができます。
そのうえ、不織布マスクは石油製品であり、長期間の着用ではマイクロプラスチックを呼吸器系に取り込む懸念が指摘されています。
子ども達は大人が着けているから、周りが着けているから着ける、という話をよくお聞きします。大人が行動しなければ子どもは変わりません。
是非、教育委員会としても着脱への具体的な例示を示すよう要望致します。
次に、保護者方からマスクが着用できない子どもをいじめや差別から守ることも要望されていました。そこで差別防止への取組みについて、どうされたのかお聞かせ下さい。
○福住議長
教育総務部長
○教育総務部長
マスク着用に如何にかかわらず差別や偏見はあってはならないと考えております。各学校においては、マスクを着用していない方がいる場合、着用できない理由があるのではないかと児童生徒に考えさせ、相手の事情や背景を正しく理解するとともに、適切な行動が取れるよう指導をするよう、教職員に指示をしております。
また、市教育委員会といたしまして安全安心メールや市ウェブページを活用し、保護者等を対象に情報発信をして参りました。
さらに、人権女性政策課がチラシを作成されたことを受け、校内で掲示するなどの対応を校長会等で指示し、啓発に努めております。
○福住議長
松本議員。
○松本議員
一定の対応がなされたことは評価致します。
人権女性政策課がチラシを迅速に対応したことも評価致します。引き続き徹底して防止を図られるよう要望致します。
さて、次にコミュニケーション阻害として問題となった給食時の黙食についてですが、文科省から11月29日に事務連絡で、黙食緩和に関するお知らせがありましたが、市内小中学校における対応についてお聞かせ下さい。
○福住議長
教育総務部長
○教育総務部長
これまで市内小中学校におきましては、「学校園における新型コロナウィルス感染症対策マニュアル」に基づき給食時は黙食を行って参りました。
現在は、令和4年11月30日付で大阪府教育庁より示された「新型コロナウィルス感染症対策の基本的対処方針の変更」に係る通知に基づき、市教育委員会より給食時には「大声での会話を控える」とし、手指衛生や座席配置の工夫、適切な換気の確保の措置を講じれば、黙食とする必要は無いことを各校に指示し、順次進めております。
○福住議長
松本議員。
○松本議員
黙食の緩和ですが、一部でまだ実施されていないというお話もお聞きします。現場の進捗状況をしっかりと把握し、進められるよう要望致します。黙食を強いる根拠はもはやございません。
最後に、要望書を提出された保護者方は、マスク着用の弊害により、子ども達の健全な成長が阻害されていると強い危機感を抱かれています。弊害が分かってきた今、アフターコロナも見据え、マスクを外せる環境をそろそろ構築していくべきではないでしょうか。
この問題、総括的に教育長からお考えをお聞きしたいと思います。
○福住議長
教育長
○箸尾谷教育長
令和2年3月、文科省から突然、全国一斉臨時休校という通知がおりまして、それから2年9カ月の長きにわたり、学校は本当にこの新型コロナウィルス感染症対策を余儀なくされました。その中で、学校行事の規模縮小、あるいは中止、もとよりですね。今、議員のご指摘のありましたマスクに関してもですね、入学以来一度もマスクを外した友達の顔を見たことの無い。あるいはマスクを外して自分の顔を友達に見せることをためらう、女子に多いのですけども、そういう児童生徒も出てきていることは十分に承知いたしております。
先ほど、担当部長から説明いたしましたように、本市のですね、新型コロナウィルス感染症対策は文部科学省作成の衛生管理マニュアルに基づきまして大阪府が作成しました対策マニュアルに基づいて、実施をしております。
感染症というのはですね、子どものみならず、そのご家族の健康に迄影響を及ぼす危険性があります。先ほど、議員も仰いましたけど、感染症対策というのは、教育で考える内容ではなくて、やはり医学的見地から判断して頂く必要があるのではないかと考えておりまして、新型コロナウィルス感染症対策専門家会議といったような医学的な専門家が集まって、検討された国並びに府のマニュアルに従って、実施しているところです。
現在実施しております体育時のマスクの着用、あるいは先ほど議員のご指摘のありました黙食の対応につきましても、このマニュアル自体が改訂されましたことから、各学校に通知をしたところでありますが、まず教員が範を示すべきではないか、というご指摘も頂きました。この事につきましては、真摯に受け止めまして、学校に周知して参りたいと思います。
ただ、やはりこの新型コロナウィルス感染症につきましては、様々なお考えの児童・保護者の方がおらっしゃいますので、やはり丁寧に、対応していく必要があるというふうに考えております。以上でございます。
○福住議長
松本議員。
○松本議員
ありがとうございます。
この問題につきましては、マスク着用の弊害をもっと教員、保護者、そして地域の方、大人がしっかりと理解する必要がございます。
これは小中学校だけの問題ではなく、社会的問題であり、子ども達の健全な成長のためにも大人がまずしっかりと行動していくことが求められます。教育委員会としても宜しくお願い致します。
(音声データ等より作成)
重要と思われる部分には強調を入れています。
※当該質問に関係のない他の質問項目の部分は省略しています。
要約
①教育委員会として、マスクのデメリットについて認識している。
②教育委員会として、マスク着脱について、徹底できていないため、具体例を出して取り組む。
③エアロゾルは不織布マスクでもすり抜ける。飛沫を飛ばさないのであれば、マスクをしてもしなくても同じである。
④教育委員会として、黙食とする必要は無いことを各校に指示し、順次対応を進めている。
〇追記 2023.2.12(マスクの効果について)
理化学研究所の上記資料により、極めて小さなウイルスへの対策には換気することが適切であり、マスクの効果は甚だ疑問視されるものである。
新型コロナウイルス感染症がインフルエンザよりも弱毒化したことも踏まえ、もはや着用のデメリットがメリットよりも上回っている現状と言わざるを得ない。
〇追記 2023.2.12(黙食の効果について)
引用 Twitter 「熊谷俊人(千葉県知事)」2023/2/10
上記写真は、熊谷千葉県知事のTwitterから引用させて頂いた黙食の実態を表すものです。
市民の方から、インフルエンザ等も流行っているので、学校が黙食緩和を渋っているというお話をお聞きします。確かにインフルエンザ等で学級閉鎖も行われています。
もうお気づきでしょう。
黙食を行っている結果がそれです。そのことは黙食を実施したところで、それは何ら感染対策に貢献しないことを示すものです。強いていうならば、コロナ感染症での追跡(法律上の)には効果があったのでしょう。
もはや医学的根拠も国の指導根拠も無い黙食を子ども達に強いることは、いわゆるデメリットを強制する虐待に近いものでしょう。
なお、市民の方には学校への対応を求める際の資料として、私の一般質問の議事録を提供するとともに、改善なければ教育委員会から指導を行ってもらうこともできる旨をお伝えしています。
〇追記 2023.2.14(マスク着用の個人判断について)
【厚生労働省】「令和5年3月13日以降のマスク着用の考え方について」
厚生労働省によると、令和5年3月13日以降、個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねることになります。
本人の意思に反してマスクの着脱を強いることがないよう、個人の主体的な判断が尊重されるよう、ご配慮をお願いします。とのことです。
〇追記 2023.3.14(マスク神話について)
感染予防効果のないマスク神話はいつ終わるのか?(記事抜粋) 唐木英明 (東京大学名誉教授)
(略)
国立感染症研究所はコロナの感染経路を、①空中に浮遊するウイルスを含むエアロゾルを吸い込むエアロゾル感染(空気感染)、②ウイルスを含む飛沫が口、鼻、目に付着する飛沫感染、③ウイルスが付着した手指で口、鼻、目を触ることによる接触感染としている 。
マスクは飛沫感染の対策であり、すき間がないように正しく着用していれば飛沫を75%止めることができる。しかしエアロゾルを止めることはできない。科学的調査によりマスクの効果がなかったということは、感染の主な原因はエアロゾルということになる。
(略)
国が「マスクには感染防止効果がある」と言い続ける限りマスク神話は続き、国民はマスクを外すことに後ろめたさを感じる。最新の科学を取り入れて、「感染防止効果はない」と明言すべきだ。欧米で実施していることを日本でできないのは「今まで言っていたことはウソなのか」と非難を受けることを恐れているためだろう。
(略)
最後に、海外の例を見ると大きな流行の後で感染者数の大幅な減少が起こっている。楽観的な見方をすれば日本もその時期である。5月に予想される第9波以後、感染者数が大幅に減少すれば、やっとマスク神話は消えていくことになるだろう。
引用:「感染予防効果のないマスク 神話はいつ終わるのか? 唐木英明」Wedge ONLINE 2023/3/13
〇追記 2023.5.15(文科省通知について)
文部科学省「5類感染症への移行後の学校における 新型コロナウイルス感染症対策について(通知)」R5.4.28付
上記写真は、R5年5月8日付けで、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行することを受けて、文科省は教育委員会や学校等における今後の感染症対策の検討の参考となる「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」の改定を行い、それを通知したものです。
ご覧の通り、学校教育活動においては、マスクの着用を求めてはいけないことになりました。黙食は以前の通りすべきではない、との内容です。
ご参考下さい。
〇追記 2023.10.30
Ⅶ 関連リンク