Ⅰ はじめに
昨年来、超過死亡が話題になっています。
今年9月16日に厚生労働省から、2021年の人口動態統計の確定数が公表され、昨年は、前年を67,101人上回る死亡数でありました。この数値は、東日本大震災のあった2011年で、前年を上回った死亡数が56,054人である事を踏まえ、衝撃的なものとして受け取られています。
そこで関連性がある本市の救急搬送の状況、死亡者数、火葬状況を、今年度も含めた過去5年間の推移について確認し、その分析と市としての対応について議会で質疑を行いました。
Ⅱ 超過死について
超過死の状況について書かれている記事等を一部紹介します。ご参考下さい。
①国立感染研は超過死亡の原因についての見解を改めて示すべきだ
昨年来、超過死亡が話題になっている。9月16日に厚生労働省から、2021年の人口動態統計の確定数が公表された。昨年は、前年を67,101人上回る死亡数であった。東日本大震災のあった2011年でさえ、前年を上回った死亡数が56,054人であることからしても、この数値は衝撃的である。(略)
今年になっても、超過死亡の増加は続いている。図1は、1月から6月末までのコロナ感染による死亡と超過死亡の累積数を示す。コロナによる死亡が12,195人に対して、超過死亡数は41,919人で2021年と同様、超過死亡はコロナによる感染死を大きく上回る。(略)
出典:国立感染研は超過死亡の原因についての見解を改めて示すべきだ | アゴラ 言論プラットフォーム (agora-web.jp)
②【更新】超過死亡数の異常な増加の原因はワクチン追加接種か
きょう感染研の発表した推定では、今年1~6月の超過死亡数は1万7000人~4万6000人で、コロナ流行が始まってから最大となった。
【今年前半の超過死亡数はコロナの2.5倍】
これは一見、コロナ第6波(オミクロン株)による死者の増加だと思うが、小島勢二氏が指摘するように、この時期のコロナ死者よりはるかに多い。今年1~6月のコロナ死者は1万2800人だが、超過死亡数は中央値をとっても3万1500人。コロナ死者数より1万9000人も多いのだ。(略)
出典:【更新】超過死亡数の異常な増加の原因はワクチン追加接種か | アゴラ 言論プラットフォーム (agora-web.jp)
③ワクチン接種で死亡者数急増は本当か? 専門家が「日本は超過死亡率が最も少ない国のひとつ」と説く理由
メディアや医療関係者が新型コロナ「第8波」とインフルエンザの同時流行への警戒を呼び掛けるなか、ネットを中心に論争を呼んでいるのは、むしろ「超過死亡」の数字である。今年に入り“戦後最多のペース”で増加しているという死亡者と、“沸騰ワード”となった超過死亡をどう読み解くべきか――専門家に聞いた。
出典:ワクチン接種で死亡者数急増は本当か? 専門家が「日本は超過死亡率が最も少ない国のひとつ」と説く理由(デイリー新潮) - goo ニュース
この国において、看過できない超過死が起きていることは間違いない事実ということが分かります。
なぜなのでしょうか??
政府は原因追究をしないのでしょうか?
Ⅱ 摂津市での救急出動件数・火葬件数・死亡者数等の推移
本市での超過死に関する傾向は気になるところです。
そこで関連性がある本市の救急搬送の状況、火葬状況、死亡者数を、今年度も含めた過去5年間の推移について表にしました。
令和4年度の確定値は、11月末までです。そのため、過去2年の11月末から3月末までの増加分を伸び率として、その平均を令和4年度に当てはめ、令和4年度の予測値を出しました。
なお、数値の根拠は、下記の【数値の説明】を確認下さい。
昨年度(R3年度)については、過去4年で見ると、救急出動件数は3番目、火葬件数は1番目、死亡者数は1番目となります。
死亡者はR2年度と比較して119人増となり、本市でも超過死が見られます。前年比で115.5%であり、令和元年と令和2年と比較して、高い比率となります。火葬件数についても同様です。救急出動件数については減少傾向であったのが、増加した年となります。
今年度(R4年度2022年4月~2023年3月)においても、11月末時点の数値(令和2年度・令和3年度の11月末時点よりも多い)から、R2・R3年度を参考に、年度分を換算すると、いずれも昨年度を上回る数値となります。
死亡者数で見ると、現在進行形で、超過死が見られるということになります。例年、冬の時期は火葬件数と死亡者数は増える傾向にあり、この冬も夏よりも増えると予想されます。
また、救急出動件数は過去最多となることが予想され、救急体制が逼迫する状況となる恐れがあります。同様に火葬件数も最多となることが予想され、市外利用者も含めれば、斎場の利用にも制約がかかる恐れがあります。それらの対策が必要となります。
【数値の説明】
①救急出動件数は、摂津市のR2・R3年度の事務報告書の「月別・事故種別救急出場件数及び救急搬送人員」から引用し、急病、交通事故、一般負傷等の合計数となります。R4年度11月末までの数字は消防本部からの資料です。
②火葬件数は、摂津市の斎場(1か所)の利用で、摂津市のR2・R3年度の事務報告書の「摂津市斎場使用状況」から引用し、大人、小人、死産児、産汚物等の合計数となります。こちらは市外利用者も含みます。R4年度11月末までの数字は担当部署からの資料です。
③死亡者数は、摂津市の人口動態調書から引用し、市内の日本人と外国人の合計数となります。
次に、摂津市での12歳以上のワクチン接種率の概要です。議会議事録からの抜粋であり、詳細までは記載していません。だいたいこのような状況であると把握するための参考程度の表・グラフになります。
この表からは、新型コロナウィルス感染症への対応は進んでおり、ワクチン接種が新型コロナウイルス感染症に有効であるとするならば、現在も続いている超過死は新型コロナウィルス感染症以外での要因であることが推測されます。
Ⅲ 議事録
本市でも超過死が見られることについて問題視し、市の対策も必要と考え、2022年12月の議会で取り上げました。詳細は下記の通りです。
令和4年第4回定例会一般質問
~本会議3日目・令和4年12月20日~ 議事録(抜粋)
1 増加する救急出動数や火葬件数等と超過死等の状況について
○松本議員
1 増加する救急出動数や火葬件数等と超過死等の状況について、昨年来、超過死亡が話題になっています。今年9月16日に厚生労働省から、2021年の人口動態統計の確定数が公表され、昨年は、前年を67,101人上回る死亡数でありました。この数値は、東日本大震災のあった2011年で、前年を上回った死亡数が56,054人である事を踏まえ、衝撃的なものとして受け取られています。
本市での傾向は気になるところです。そこで関連性がある本市の救急搬送の状況、死亡者数、火葬状況を、今年度も含めた過去5年間の推移についてお聞かせください。
(略※)
○福住議長
消防長
○消防長
救急搬送の状況についてのご質問にお答えいたします。
まず、救急出場件数の推移についてでございますが、直近5年間をみますと、平成30年度に、本市消防本部発足以来、最多件数である5,160件を記録いたしました。
その後は、高い水準での件数ではありますが、令和元年度が4,976件、令和2年度が4,662件、令和3年度が4,854件で、緩やかではありますが減少傾向に転じておりました。
しかしながら、令和4年度につきましては、11月末現在までの8ヶ月の間で、すでに3,879件となっており、前年同月と比べましても大幅に増加しており、平成30年度の最多件数を確実に上回る状況となっております。
○福住議長
生活環境部長
○生活環境部長
本市の死亡者数及び火葬状況についてのご質問にお答えいたします。
死亡者数につきましては、平成30年度712人、令和元年度764年、令和2年度767人、令和3年度886人、令和4年度は11月末時点で606人となっております。
火葬状況につきましては、平成30年度917件、令和元年度911件、令和2年度969件、令和3年度1,130件、令和4年度は11月末時点で786件となっております。
(略※)
○松本議員
これよりは一問一答形式でお願いします。
まず超過死等の状況について、死亡者数、火葬では昨年度は過去4年の中で、最も多く、その上で今年度はあと4ヶ月あり、例年の推移から救急出動、死亡者数、火葬件数がいずれも5年間で最多になるものと予測できます。本市でも昨年度、そして今年度も超過死が見られるということです。
そこでこの状況について、消防本部の救急搬送の詳細な分析をお聞かせください。
○福住議長
消防長
○消防長
救急搬送の詳細についてのご質問にお答えいたします。
令和3年度における救急搬送では傷病程度別で見ますと軽症者が全体の52.2%、年齢別で見ますと、65歳以上の高齢者が全体の51.8%で、いずれも半数以上を占めております。
この点につきましては、年々増加傾向であり、救急件数増加の一因となっておりましたが、一方で、新型コロナウィルス感染拡大に伴う行動自粛要請により市民の活動が抑えられた結果、緩やかではありますが、令和元年度から令和3年度においては、救急搬送件数の減少につながったのではないかと分析しております。
令和4年度におきましては、新型コロナウィルス感染症の第6波及び第7波が大きく影響していることもございますけれども、それに加えまして、行動制限が緩和されたことで、市民の活動が徐々に再開し、以前の生活が戻ってきたことも増加の要因の1つであると考えているところでございます。
○福住議長
松本議員。
○松本議員
続いて、この状況の医療担当部署の見解をお聞かせ下さい。
○福住議長
保健福祉部理事
○保健福祉部理事
救急搬送や死亡者数の増加の要因つきましては、高齢者数の増加の影響も一定考慮する必要があるとの認識はございますが、新型コロナウィルス感染症による死亡者数の速報値として発表されている数値も含め、現時点において要因として断定できる十分な情報ではないことから、今後、国や大阪府から提供される関連情報に注視して参りたいと考えております。
○福住議長
松本議員。
○松本議員
消防本部の分析と医療担当部署の見解については理解しました。
当然ながら新型コロナウィルス感染症が疑われるかもしれませんが、「新型コロナウィルス感染症以外の原因」で超過死亡が観察されると、指摘されています。
そこで、改めてワクチン接種状況の接種開始から現在までの接種率の推移をお聞かせ下さい。
○福住議長
保健福祉部理事
○保健福祉部理事
新型コロナワクチン接種につきましては、令和3年2月に医療従事者から接種が開始され、本市においては同年5月に集団接種や各医療機関での個別接種を開始いたしました。
これまでの間における12歳以上の接種状況は、2回目までの接種率が、昨年度末で約83%、今年度の11月末で約88%となっており、3回目の接種率は、昨年度末で約35%、今年度の11月末で約77%となっております。
また、9月末から接種開始となったオミクロン株対応ワクチンは、11月末時点で約38%となっており、希望される方へのワクチン接種が進んでいる状況でございます。
○福住議長
松本議員。
○松本議員
ワクチン接種状況については理解しました。
超過死の原因が新型コロナウィルス感染症ならば、ワクチン接種率を踏まえ、ワクチンの効果が見られなかったということになります。
ただ、HPで公開されている11月7日付けの「社会保障」という財務省資料でp7「新型コロナ重症化率等の推移」によるとオミクロン株BA4.5の重症化率について、60歳未満0.01%、致死率0.004%、それと比較して季節性インフルエンザは重症化率0.03%、致死率0.01%で、オミクロン株は季節性インフルエンザよりも毒性が弱い実態となっており、今も超過死が続いていることを踏まえ、コロナが原因というのも適切ではありません。
そのような中で、名古屋大学名誉教授の小島氏は、コロナワクチン接種との相関を指摘されています。国は原因の調査・解明をすべきでしょう。
要因が不明な中、増加傾向が続くとすれば、救急体制はそれに耐えうるのか。市の見解をお聞かせ下さい。
○福住議長
消防長
○消防長
今後の救急体制についてのご質問にお答えいたします。
現在、新型コロナウィルス感染症の影響で、救急件数自体の増加はもとより、1件あたりの活動時間が増加しており、救急業務への負荷が増大しております。
救急要請が、本市が運用する救急車の台数をオーバーする場合も多くございまして、その場合は、吹田市を始め近隣市に出動応援していただいているのが現状でございます。
従前から、救急件数の減少に向けまして、市広報誌等への掲載、各種訓練指導や消防行事と、あらゆる機会をとらえ、市民の皆様に、救急車の適正利用を啓発し、併せて感染対策について正しく理解を深めていただくための啓発活動を実施しております。
また、医療機関や保健所等、関係機関と密に連携し、1件あたりの救急活動時間の短縮に努めているところでございます。
現在の救急体制を維持し、現状の課題を解決するためには、今後、救急隊の増隊も含めた、救急体制の強化についても、改めて点検し、適切な対応を検討しておかなければならないと考えております。
○福住議長
松本議員。
○松本議員
続いて斎場の対応はそれに耐えうるのかをお聞かせ下さい。
○福住議長
生活環境部長
○生活環境部長
斎場の利用状況につきましては、市内者の利用件数も増加しておりますが、それ以上に市外者の利用件数が増加しており、市内者の予約が取りづらくなる状況が見受けられました。
従来は、12月~3月の冬場に利用者が特に増加する傾向がございましたが、令和4年度は8月、9月の2カ月で市外者の利用が前年同期比約7倍にまで増加し、市内者の利用に支障をきたす状況となったことから、急遽、1日5枠ある火葬時間帯の内2枠を市内者専用枠として運用するとともに、本定例会において市外者の使用料を改定する条例改正を上程させていただいたところです。
今後も状況を注視しながら市内者の利用に支障をきたすことが無いよう努めて参ります。
○福住議長
松本議員。
○松本議員
消防本部、そして斎場ともに対応に取り組まれていることを理解しました。
この冬は特に厳しくなるでしょう。消防本部では救急体制の維持・強化、そして広域連携の強化、また斎場では適切な管理と市民枠等の柔軟な対応を要望致します。
(音声データ等より作成)
重要と思われる部分には強調を入れています。
※当該質問に関係のない他の質問項目の部分は省略しています。
要約
① 今年度(R4年度)は救急出動、死亡者数、火葬件数がいずれも5年間で最多になる。
② ワクチンの12歳以上の接種状況は、2回目までの接種率が今年度の11月末で約88%である。
③ 保健福祉部署として、超過死等の原因は現状、不明である。
④ 市は救急体制の強化と斎場の市民枠の設置と料金改定等で、超過死等に対応する。
Ⅳ まとめ
本市でも昨年度は超過死が見られ、そして今年度もまた超過死が予想されます。また、それだけでなく、救急出動件数及び火葬件数の過去最多となることも予想されます。
超過死の要因は不明です。市も高齢者の増加だけでは説明できず、新型コロナウイルス感染症でもない状況です。新型コロナワクチン接種との関連性も含め、国は超過死の調査・分析を行い、その原因を明らかにすべきと考えます。
いずれにせよ、市民生活への影響を最小限化するために、救急体制の維持・強化、消防の広域連携の強化、斎場の柔軟な運用が求められます。議会からもその取組みを提言して参ります。
追記 2023.4.22
令和4年度(2022年4月~2023年3月)の救急出動件数、火葬件数、死亡者数が確定したので、追記します。
予想よりそれぞれ数値はやや低かったものの、いずれも過去最多となっています。
救急出動件数は著しい増加となっています。また火葬件数、死亡者数も同様に大きな伸びとなっています。
〇救急出動件数について
令和4年度は月平均が前年よりも約80件増と、異様な伸び率を示しています。
また、令和4年7月・8月と、12月の出動件数はこれまでと比較しても異常な多さとなっています。
〇火葬件数について
令和4年2月に過去最高の件数となっています。また令和4年の7~10月は例年にない多さの件数となっています。
なお市外利用者もあり、他市の斎場の逼迫しているからが故に本市斎場の利用が多くなっているこも、件数が伸びている理由の一つです。
〇死亡者数について
令和4年度もまた他の傾向と同様の状況が見て取れます。
令和4年3月が過去最高となり、令和4年7月~8月が例年にない多さの件数となっています。
さて、全国的な超過死について一部で指摘されているのは、
令和2年(2020年) 新型コロナ感染症のみ、ワクチンなし →死者減
令和3年(2021年) 新型コロナ感染症、新型コロナワクチン接種開始 → 死者増加
令和4年(2022年) 新型コロナ感染症、新型コロナワクチン・ブースター接種 →死者激増
令和5年(2023年) 新型コロナ感染症下火、新型コロナワクチン接種続く → 死者激増
「参考 新型コロナワクチン接種開始時期」
1回目:2021年2月医療従事者・4月高齢者(以降3回目まで継続)、4回目:2022年5月、5回目:2022年10月
ということで、「摂津市 死亡者数の推移とワクチン接種スケジュールについて」で表を作成してみました。
どうでしょうか?
本市の傾向もそれに近いものと見て取れるとも言えます。例年、冬に亡くなる方が多いというのは令和2年冬から確認できますが、令和3年から4年にかけての冬は例年以上に多く、そして令和4年は夏も多いということで、担当部署とも話をしますが、この超過死問題について単純な高齢化によるものではないということは意見一致します。
新型コロナ感染症が死亡者増加の原因と指摘されるかもしれませんが、新型コロナ感染症が弱毒化している以降も死亡者が増加していることを踏まえれば、新型コロナ感染症が原因とは言えません。またそれであれば、ワクチン接種3回目開始以降の死亡者増加はワクチンの効果が無いことを示すものとなります。
他に何があるのか。
国民大多数が接種し、健康被害が生じている新型コロナワクチンの影響の可能性は否定できないと考えます。
少子高齢化の対策を進めるにあたり、新型コロナワクチン接種との関連も含めて、国は早急にこの原因を調査すべきでしょう。
「摂津市での救急出動件数の推移」の表です。ご参考下さい。
Ⅴ 関連リンク