Ⅰ はじめに
新型コロナワクチン接種は春開始接種が5月より行われています。
それらの接種状況と、増加し続ける健康被害の状況を踏まえ、
市の健康被害の周知方法の妥当性や、同調圧力を生みかねない接種券一律送付が必要なのか等、これまでの議論も踏まえて議会にて質疑を行いました。
Ⅱ 摂津市のコロナワクチン接種率
摂津市での新型コロナワクチンの接種率は議会答弁にて確認しました。内容は以下の通りです。
令和5年春開始接種は5月8日から開始し、65歳以上の方、64歳未満の基礎疾患を有する方などが対象となっていおり、主な対象者となる65歳以上の方の6月中旬までの接種率は5月末の人口比で約33%となっている。
5歳から11歳までの小児の接種率は、初回接種となる1・2回目で約13%、3回目が約4%、4回目が約1%。
生後6ヶ月から4歳までの乳幼児の接種率は、初回接種となる1~3回目で約2%となっている。
現状の接種率は上記表もご参照ください。
ここでお気づきになられるかもしれませんが、明らかに接種率の世代差が生じています。
どういうことなのでしょうか。
Ⅲ 健康被害の状況
新型コロナワクチンに関する「予防接種健康被害救済制度」の現状は以下の通りです。
6月19日時点で全国の自治体から国に7,881件の進達がなされ、国の専門審査部会において審査されたもののうち、認定が2,832件、否認が405件という結果となっている。
昨年6月23日の進達数は2,815件で、1年で約5千件増・約2.8倍と健康被害は増え続けている。
死亡認定も6月26日時点で103人となっている。
健康被害が看過できない状況であることは一目瞭然です。上記表もご参考下さい。
しかも救済制度での健康被害は氷山の一角にしか過ぎません。(詳細は議事録と過去ブログ参照)
その他の健康被害等の情報はこれまでのブログをご参照下さい。
〇「新型コロナワクチンの有効性や健康被害の実情と令和5年度の臨時接種スケジュールなど」(2023.3.31)
〇「新型コロナワクチン接種での健康被害認定者が過去最多になった事とその対応について」(2022.12.26)
〇「冷静に考えたいワクチン接種・懸念される副反応について」(2022.9.23)
〇「ワクチン接種の副反応による健康被害が生じた場合の救済制度について」(2022.7.1)
Ⅳ 健康被害の情報の重要性
「接種券の一律送付につきましては、接種を希望される方が速やかに接種できるよう行っているもので、小児や乳幼児についても同様でございます。他の年代と比較して低い接種率となっている現状を踏まえますと、一律送付した場合であっても様々な情報を元に、接種について検討し、選択されているものと考えております。」
上記は、令和5年6月議会での市の答弁の一部です。
これに関しては、私も同感であり、保護者の方からの将来的なmRNAワクチンの子どもへの影響や、健康被害の状況を知って、打たない選択肢を取っているということをお聞きしています。
しかしながら、高齢者の方とお話をしていると、健康被害への知識が少ない方が他の世代と比較して、明らかに多いと感じています。
接種判断においては、「健康被害」の情報は極めて重要です。他の判断としては「効果」が挙げられます。その他に良くはない「同調圧力」も挙げられるかもしれません。
ところが、この肝心の健康被害の情報の入手が限られています。地上波はほとんど放送しません。一方でインターネットでは厚労省のHPにアクセスでき、一定の状況が分かります。諸外国のニュースも見ることができます。様々なところから情報を入手できます。
情報格差が生じています。
繰り返しにはなりますが、接種判断において「健康被害」の情報は極めて重要です。
私は昨年6月議会からこの問題を取り上げています。議会で一般質問をすることで、「議会だより」にも掲載することができます。そのため、「議会だより」にも質疑を掲載(下記写真)し、HPにも取り上げて、自身のチラシも作成し、情報発信に取り組んでいます。ただ、それだけでは不十分な状況です。
肝心の市の情報発信が十分ではありません。
市は、健康被害の市民への周知として、接種券発送の際にワクチンに関する説明書を同封し、ワクチンの効果・注意点・予防接種健康被害救済制度についての情報を対象者全員に知らせている。
また、乳幼児の接種券には、ワクチンの安全性に関するQ&Aを記載した保護者向けリーフレットも同封するほか、市ホームページにも予防接種健康被害救済制度の審議結果等の関連情報を掲載している、(市答弁)とのことですが、
実のところ、市は健康被害の審議結果などを紙媒体には掲載していないため、HP等を見ない方には伝わらないのが実態です。救済制度を知らせても、その中身を知らなければ接種判断には大きな影響を及ぼさないでしょう。むしろ制度があるからと、進んで接種してしまうかもしれません。
情報格差が接種率の差を生んでいるのではないでしょうか。
その事を踏まえ、議会にて紙媒体で市民に健康被害の実情を知らせるよう要望しています。
Ⅴ 議会議事録
令和5年第2回定例会一般質問
~本会議3日目・令和5年6月27日~ 議事録(抜粋)
2 新型コロナワクチン接種状況等と接種券一律送付の必要性の有無について
【質疑概要】
新型コロナワクチン接種は春開始接種が5月より行われている。それらの接種状況と増加し続ける健康被害の状況を踏まえ、市の健康被害の周知方法の妥当性や、同調圧力を生みかねない接種券一律送付が必要なのか等、これまでの議論も踏まえて議会において質疑を行った。
⇒
○松本議員
2 新型コロナワクチン接種状況等と接種券一律送付の必要性の有無について、5歳以下、5歳~11歳のこれまでの接種率、そして春開始接種の接種率の状況についてお聞かせ下さい。
(略※)
○福住議長
保健福祉部長
○保健福祉部長
「令和5年春開始接種及び小児・乳幼児接種の接種率」についてのご質問にお答えいたします。
令和5年春開始接種は5月8日から開始しており、65歳以上の方、64歳未満の基礎疾患を有する方などが対象となっております。主な対象者となる65歳以上の方の6月中旬までの接種率は5月末の人口比で約33%となっており、全国的な平均を回る状況でございます。
また、5歳から11歳までの小児の接種率は、初回接種となる1・2回目で約13%、3回目が約4%、4回目が約1%、生後6ヶ月から4歳までの乳幼児の接種率は、初回接種となる1~3回目で約2%となっております。
(略※)
○松本議員
次に、コロナワクチンについて、接種率の状況では、世代で大きな差が生じていることを理解しました。
では、新型コロナワクチンの健康被害の最新の状況について、お聞かせ下さい。
○福住議長
保健福祉部長
○保健福祉部長
お答えいたします。新型コロナワクチンに関する予防接種健康被害救済制度の現状といたしまして、6月19日時点で全国の自治体から国に7,881件の進達がなされ、国の専門審査部会において審査されたもののうち、認定が2,832件、否認が405件という結果になっております。
本市においては、予防接種による健康被害の問い合わせや相談に保健師が随時対応しており、国への進達に至ったケースもございます。
○福住議長
松本議員。
○松本議員
昨年6月23日の進達数は2,815件で、1年で約5千件増・約2.8倍と健康被害は増え続けています。死亡認定も6月26日・昨日時点で103人です。
加えて、14歳の健康な女子中学生が昨年8月に亡くなったのがワクチン接種に関連するという論文が5月末に発表されました。この件は国会で取り上げられましたが、国の副反応報告の死亡者にも掲載されていません。
また、2月には3回目の接種を受けた1歳児が死亡したと厚労省が発表し、接種2日後に亡くなったものの、基礎疾患を持ち情報不足で因果関係は評価できないとされています。基礎疾患を持っているからこそ因果関係解明がむしろ必要なはずですが、国の動きは見えません。副反応報告数等も踏まえ、健康被害認定は氷山の一角です。
このように日々、コロナワクチン接種のデメリットが明らかになっています。子ども達の接種率は保護者方の懸念を示すものです。
逆にいえば、接種率を見た時に、高齢者の高さはそれと比較した場合、違和感を感じます。実際、健康被害認定の多くは高齢者です。その差異の要因はなんでしょうか。情報収集力でしょうか。
改めて市の健康被害の周知状況について、合わせて3月議会で要望した健康被害に備えた接種歴保存期間の延長について見解をお聞かせ下さい。
○福住議長
保健福祉部長
○保健福祉部長
お答えいたします。健康被害の市民への周知につきましては、接種券発送の際にワクチンに関する説明書を同封し、ワクチンの効果・注意点・予防接種健康被害救済制度についての情報を対象者全員にお知らせしております。
また、乳幼児の接種券には、ワクチンの安全性に関するQ&Aを記載した保護者向けリーフレットも同封するほか、市ホームページにも予防接種健康被害救済制度の審議結果等の関連情報を掲載し、市民の方が必要な情報を把握した上で接種を検討、選択できるよう取り組んでいるところでございます。
また、予防接種に関する記録につきましては、予防接種法施行規則に5年間の保存が規定されており、新型コロナワクチン接種に関して現時点で法令上の保存年限に達してはおりませんが、保存期間を独自に延長することを決めた自治体もございますので、引き続き情報収集を行って参りたいと考えております。
○福住議長
松本議員。
○松本議員
取組み状況は理解しました。保存期間延長について前向きに検討されるよう要望致します。
さて、先月、市民の方から接種券が送られてきたものの判断つかず、行きつけの医院に相談したら、「はい、袖を上げて」と、副反応や健康被害に関する説明なく、接種を受けることになったというお話をお聞きしました。説明が不十分な問題は勿論のこと、接種券送付が打たないといけないのではという同調圧力を少なからず生んでいると思います。
新型コロナウイルス感染症は2類から5類に変更されましたが、接種券一律発送は続いています。国から指示されているのか、その根拠も含めてお聞かせ下さい。
○福住議長
保健福祉部長
○保健福祉部長
お答えいたします。接種券の発送につきましては、5月8日に国から示されている「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き」に、初回接種は発送区分ごとに発送すること、追加接種は前回の接種から一定期間経過した複数の対象者に対して、一定期間ごとにまとめて発送すること、また、転入等があった場合にも速やかに発送することとされています。
本市におきましては、全ての市民に対して必要となる様々な情報提供しつつ、国からの手引きに基づき、接種を希望される方が速やかに接種できるよう取り組んでいるものでございます。
○福住議長
松本議員。
○松本議員
国の手引きに基づいているとのことですが、健康被害が出続ける中、国の姿勢は強く疑問に思います。
ただ、乳幼児等への接種券は一部の市で同調圧力を回避する目的などで一律送付を止めています。市町村独自で一定の対応ができます。本市の乳幼児の接種率の低さを踏まえ、接種券一律送付の必要性は低いですが、市の見解をお聞かせ下さい。
○福住議長
保健福祉部長
○保健福祉部長
接種券の一律送付につきましては、接種を希望される方が速やかに接種できるよう行っているもので、小児や乳幼児についても同様でございます。他の年代と比較して低い接種率となっている現状を踏まえますと、一律送付した場合であっても様々な情報を元に、接種について検討し、選択されているものと考えております。
本市といたしましては、引き続き対象者に必要な情報提供行うとともに、希望される方がスムーズに接種できるよう、接種時期が到来した方には、随時接種券を送付して参りたいと考えております。
○福住議長
松本議員。
○松本議員
一律送付を続けるとのことですが、再検討を要望いたします。
さて、「一律送付した場合でも様々な情報をもとに検討、選択されている。」という今の答弁については同感いたします。
そうなると、様々な情報をもとに判断されている市民方は、結果として乳幼児接種率約2%のように打たない傾向がある。では、それと比較し65歳以上の接種率33%という高さはどう捉えるべきでしょうか。先ほどの質疑の答えですが一部の高齢者の方は限定された情報しか得られていないということを示唆していませんか。
実際、市民の方と話をする中で、地上波が主な情報源でHPなどを見ない高齢者等への健康被害の周知は難しいと感じます。地上波のワクチン関連のネガティブ情報は少なく、5月15日にNHKが、ワクチンが原因で死亡したと訴える遺族の発言を報じず、コロナ死の遺族かのように報道し、当会長が謝罪した件は、それを物語っています。(リンク)
そのため私は3月議会で接種券発送に健康被害認定の状況などを同封し周知するよう要望していますが、市の対応は案内状にHPのQRコードを記載するのみです。
市は情報一つ一つが接種判断に影響することを認識しているのならば、極めて重要な健康被害情報は、特に配慮し市民へ届く努力をすべきです。
よって健康被害状況を紙媒体で理解できるよう接種券案内へ具体的に追記し、そして地域福祉通信や広報せっつにも掲載する等の周知を強く要望致します。
合わせて、接種従事者へ国の手引きに順守し副反応等に対する説明をしっかりと行うよう周知を要望致します。
なお3月議会で要望した公的関与の周知は、案内に記載された事は評価致します。特に医療従事者等への同調圧力があった場合にその軽減が期待されます。以上です。
(以上)
(音声データ等より作成)
重要と思われる部分には強調を入れています。
※当該質問に関係のない他の質問項目の部分は省略しています。
Ⅵ まとめ
『「一律送付した場合でも様々な情報をもとに検討、選択されている。」という今の答弁については同感いたします。
そうなると、様々な情報をもとに判断されている市民方は、結果として乳幼児接種率約2%のように打たない傾向がある。では、それと比較し65歳以上の接種率33%という高さはどう捉えるべきでしょうか。先ほどの質疑の答えですが一部の高齢者の方は限定された情報しか得られていないということを示唆していませんか。』
ということを議会にて述べました。
接種券発送が国の指示でやらざるを得なくても、また国が積極的な情報発信をしないから、市も消極的ということは適切ではありません。市でもできることはあります。
必要な情報を必要な方に周知徹底することが大切です。
もうじき秋接種が始まります。また接種券がどんどん発送されます。
必要な情報を元に判断してもらうことが重要です。
その取り組みを議会から進めています。
Ⅶ 関連リンク