~ 健都と予防医療のまちづくり ~
1 市の健都まちづくり体制を改革
2 健都まちづくりの方向性を明確化
3 JR千里丘駅西地区再開発との連携 など
夢の実現へ!!
Ⅰー1 健都のコンセプト
北大阪健康医療都市(愛称:健都)のまちづくりは、JR岸辺駅の国立循環器病研究センター(略称:国循)を中心とし、吹田市と摂津市の両市にまたがる健康・医療のまちづくりのことで、摂津市の発展に大きく貢献するとても重要な取組みになります。(右図参照)
まちづくりの方向は、①国立循環器病研究センターを中心とした循環器病の予防医療のまちづくりと、②イノベーションパークを含めた国際級の医療クラスター拠点を目指すことです。
これらが実現することにより、市民には健康寿命延伸の実現で、亡くなる直前まで健康な生活を過ごすことができ、そして医療クラスター拠点からの税収増による市民サービス向上、雇用なども生まれ、経済的なメリットがもたらされます。
また、令和4年には国立健康・栄養研究所(略称:健栄研)もこの地に移転されます。国立の研究機関2拠点での取り組みが可能となり、健都のメリットを飛躍的に高めることができます。
ただし、まだまだ健都のまちづくりはこれからであり、しっかりと良い将来に向けて政策を推進していかなければなりません。私は議会から適切な政策提言を行って、しっかりと頑張って参ります。
<北大阪健康医療都市HP>
Ⅰー2 循環器病の予防と健康寿命延伸の取組み
左表は2018年の死因を示したものです。この中で心疾患と脳血管疾患が循環器系の病気であり、約23%・約31万人の死亡原因となっています。
この循環器病を予防することが日本でも大きな意義ある取組みなのです。
右表は介護が必要となった原因を示したものです。ご覧の通り、循環器病が21.2%と介護が必要になった最大の原因となっています。
先ほどの死因と身体の不自由をもたらす要因を踏まえ、循環器病を予防することはとても重要であることが分かります。
左表では摂津市並びに大阪府の健康寿命と不健康な期間の平均を示したものです。
健康寿命の延伸とは、亡くなるまでの不健康な期間をできる限り縮めていくことを意味します。
いつまでも健康で居られることは、自身の身体的不自由とそれに伴う精神的疲労を回避することは勿論のこと、家族や親族などへの介護負担を避けることができます。この事で多くの市でも取り上げている所謂「健幸な生活」を亡くなるまで過ごせます。いわゆるピンピンコロリです。
予防医療のまちづくりとは幸せなまちづくりといって過言はありません。そしてこの事は社会保障費の増大を防ぎ、個人の負担増大や社会保障の崩壊防止にも繋がります。そして真に必要とされる方々にその保障費を回すことができます。
とても重要な取組みなのです。
Ⅰー3 国際級の医療クラスター拠点を目指して
健都におけるもう一つの目標である「国際級の医療クラスター拠点を目指す」ことに関して、国循のOIC(オープンイノベーションセンター)と、健都イノベーションパークに誘致される最先端の健康・医療関連の研究機関や企業が連携してその実現を目指すものです。(上記図・吹田市資料参照)
2020年8月時点では、イノベーションパークには㈱二プロ本社・研究機関とアライアンス棟(健栄研とレンタルラボ)の二つが決定しているだけで、まだ多くの土地が余っています。これらへの企業・研究機関誘致が現在行われています。
このイノベーションパークの全ての土地が企業・研究機関で満たされることで数千人が働く産業エリアがこの摂津市に出現します。そのことは周辺への住宅、飲食、雇用などの経済的波及効果は勿論のこと、同パーク内企業と本市の製造業とのマッチングでの新製品開発など産業活性化につながります。
また法人税などの市財政へも歳入増となり、市民サービスで回せる予算が増えます。この取り組みは将来を見据え丁寧に、着実に進めていかなければなりません。
健都のまちづくりは本市の宝です。
ただし、健都のまちづくりは勝手に育つような甘いものではありません。
健都の成功にはそれ相応の組織構築、政策努力が必要になります。
Ⅱー1 全 般
健都と摂津市との関係は公的機関のつながりから、市民への健康寿命延伸への取組み、産業との連携、市内開発との連携など多岐にわたります。
如何にして健都の成果を市内へ普及するのか、しっかりと議論を続けています。
「議事録」
●2021年12月議会「4 健都発展の取り組みについて (1)エリアマネジメント等について」
●2021年12月議会「5 健都発展の取り組みについて (2)イノベーションパークについて」
●2017年10月議会「1 北大阪健康医療都市「健都」の取り組みについて」
Ⅱー2 健都の組織強化を実現
業務量が10あるならば、業務遂行力1ではなく、業務遂行力5をこなす組織を先に構築するほうが、結果として効率的です。そこで、2017年12月議会にて不十分な本市の組織体制の改編を求めました。
その結果、市は2018年4月より兼職ですが「健都まちづくり担当」が創設されました。その組織改編の内容は2018年6月議会で確認しています。そして、2021年4月、健都の業務がひと段落し、保健福祉部に健都まちづくり担当は集約されます。
「議事録」
●2018年6月議会「健都まちづくりとシティプロモーションについて」
●2017年12月議会「(仮称)健都プロジェクトチーム(推進室)の創設について」
Ⅱー3 健都まちづくりの方向性の明確化を実現
次に、本市の健都へのスタンスを明確にする健都まちづくりの方向性を本市はどう考えているのかを文章化する必要を感じました。
他の議員も含め、健都への考え方が曖昧であり、組織として方向性を統一すべきと考えました。
そこで、2回の議会の質問を経て、2018年6月と9月の議会でその方向性を明確化しました。その結果を図にしたのが、左図になります。
市は「健都を中心に、健康づくりと医療イノベーションの好循環の創出による、健康寿命の延伸をリードするまちづくり」を健都で目指します。
また、合わせて3点の目標を掲げました。①健康寿命の延伸、②健都のまちづくりの全国発信、③産業の活性化です。
詳細は以下で述べます。
「議事録」
●2018年9月議会「本市における健都まちづくりの目指す方向性について」
●2018年6月議会「健都まちづくりとシティプロモーションについて」
Ⅱー4 健都まちづくりの全国発信へ
健都の全国発信については、まずもっての目標はイノベーションパークの企業誘致でした。早期に有力な医療・健康産業関連の企業を誘致するためのシティプロモーション・広報が必要だと提言しました。それは2018年の6月、9月議会での一般質問で取り上げました。
これらのように健都を使ってのシティプロモーションと考えていたところ予想外の事が起きました。
市の担当者が、健都だけでなく市全体のシティプロモーションを本格的に行うべきと発案されたのです。ということで、市はシティプロモーション戦略策定を2019年度に実施しました。摂津のブランド価値向上が健都のPRにも繋がるので、良い政策であると私も賛同し、その推進のために応援しています。
それは2019年、2020年の議会での一般質問で取り上げました。この詳細については「まちづくり」をご参照ください。
シティプロモーションによって本市のブランディングを行うことは非常に重要です。これをしっかりと健都とも連携させていきます。
「議事録」
●2019年9月議会「シティプロモーションとふるさと納税等の施策との連動について」
●2018年9月議会「広報の健都まちづくり等のシティプロモーションにおける役割について」
●2018年6月議会「健都まちづくりとシティプロモーションについて」
Ⅱー5 産業の活性化
産業活性化のために、健都イノベーションへの企業誘致への取組みを推進し、また健都と商工会、市内企業を結ぶためのプラットフォームの取り組みも進めています。
このプラットフォームでは、健都でのエリアマネジメント組織(プラットフォーム)についての議論が交わされ始めています。吹田市と摂津市の両市にまたがる健都を総括的に運営する組織の事です。それに関しては関学での研究対象としました。詳細は以下にリンクで掲載しています。エリアマネジメント組織については2020年9月議会でも取り上げました。
摂津市への健都の成果普及に必要なこの取り組みの実現に、しっかりと推進して参ります。
2021年3月には、商工会主催による市内企業と健都の国循にあるオープンイノベーションセンター内企業のマッチングが行われました(左写真)。健都と連携した産業活性化の第一歩です。このような事業をさらに推し進めて参ります。
「議事録」
●2020年9月議会「健都の発展と健康寿命延伸の市民への普及について」
Ⅱー6 エリアマネジメント組織構築の推進
健都のまちづくりは、摂津市だけでなく、吹田市、国循、国栄健、商工会等々と多くの関係団体が存在します。そのため、これらをコーディネートして、健都を引っ張っていく組織が必要となります。それがエリアマネジメント組織です。
私は、関西学院大学大学院の経営戦略研究科の修論で、健都におけるエリアマネジメント組織について研究しました。以下のPDFはその発表資料と論文です。
このエリアマネジメント組織が令和3年度に、関係団体で議論され構築されつつあります。しっかりと本市にとってより良い組織となるよう提言して参ります。
Ⅱー7 市内事業との連携
「議事録」
●2019年12月議会「健都における明和池公園の価値向上について」
●2019年6月議会「千里丘駅西地区再開発との連携も含めた健都の魅力あるまちづくりについて」
健都の取り組みはまだまだ続きます。
健康寿命延伸のために、健都の成果を市民一人ひとりに普及していかなければなりません。その基本は「予防」です。病気になるのを防ぐことが健康寿命には欠かせません。心疾患・脳疾患の原因となる生活習慣病の予防が特に重要となります。
その生活習慣病予防を行うための要点は大きく3つ挙げられます。
①正しい知識の習得、②若い世代からの取り組み、③運動習慣の定着
これらを具体化するための施策を提言しています。
まず幼児への健康教育を提言しました。その心は、幼児の健康は勿論のこと、その健康教育を通して親世代の健康意識にもアプローチするというものです。これに協力してくれるところもあり、着々と進めていました。2018年6月議会、2018年9月議会などで取り上げています。
現在は、コロナ禍の影響でストップしています。コロナ禍が収まれば、しっかりと進めます。
また、児童・生徒への取り組みも取り上げました。
健栄研と国循の健都の取り組みを学校での食育、そして給食と連携を行い、知識と栄養の面で児童・生徒を支えるべきというものです。これは2020年12月議会で取り上げました。
「議事録」
●2020年12月議会「健都の健康寿命延伸の取り組みと小・中学校給食との連携について」
●2018年9月議会「子育て世代を取り込む幼児の健康教育推進について」
●2018年6月議会「子供を含めた全世代への健康のまちづくりの施策の必要性について」
運動習慣の定着や正しい知識の習得のために、健栄研のフレイル予防の取組み・国循での健康講座と健幸マイレージでのコラボや、健康体操(ダンス)のさらなる普及にも取り組んでいます。
健康体操(ダンス)は2020年12月議会で取り上げています。
「議事録」
●2020年12月議会「ちっちゃな摂津のでっかなダンス野望とシティプロモーションについて」
2022.2.11更新